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約束のsonozyのレビュー・感想・評価

約束(1972年製作の映画)
3.5
“日本のクロード・ルルーシュ”と呼ばれたという斎藤耕一監督作。

公園のベンチに座り誰かを待っているような女・螢子/ケイコ(岸恵子)の表情が印象的なオープニング。

一転、トンネルを抜け海沿いを走る列車。外はところどころに雪が積もっている。
ボックスシートに座る螢子は、同行者なのか隣で寝ている女(南美江)をチラ見。
途中駅、サングラスのチャラそうな男・朗/アキラ(萩原健一)が向かいに座りすぐに新聞紙を顔にかけて寝る。
その新聞の「酒乱の夫を刺し殺す 内縁の妻..」という記事を凝視する螢子。

目覚めた朗は、螢子と隣の女に気さくに話しかけたり、途中駅で3人分の駅弁を買ってきて食べたりし、螢子の行き先を聞くと俺も同じだ!奇遇だね〜と一人盛り上がる。

目的地で下車した朗は公衆電話で仲間らしき相手に電話をかけ、螢子と女が駅前の宿に入ったのを目撃。
出てきた螢子に並び歩く。螢子は誰かの墓参りにきたようだ。

墓で涙する螢子。明日の15時には帰らねばならないという螢子に、朗は12時に会おうと約束を交わし、それまで預かってと腕時計を渡す。

螢子の同行者は誰なのか。朗がこの地に来た目的は。。

憂いを帯びたクールビューティな岸恵子と、無邪気な萩原健一/ショーケン。
お互いの名もなかなか名乗らない、ワケありの女と男の、わずか3日間の愛の情感が沁みる。

ショーケンは本作の演技で高い評価を得て俳優に本格的に転身とのことですが、本作の後のテレビドラマ『傷だらけの天使』につながるヤンチャぶりが出てました。

1966年の韓国映画『晩秋(イ・マニ監督)』が原案ということですが、この作品、韓国にも現存せず幻の名作となっているようです。
他に、
・キム・ギヨン『肉体の約束』1975
・キム・スヨン『晩秋』1981
・キム・テヨン『レイトオータム』2010
といったリメイクも。
ギヨン、スヨン、テヨン。キム三兄弟みたいですが。笑
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