1977年の角川映画第二作。主演は岡田茉莉子、というのが何となく物淋しい。角川映画第一作『犬神家の一族』のヒロインが高峰三枝子だった事を思うと少し若返ったということか。角川春樹は本格的なスター映画を作りたかったのかもしれない。それにしても1977年にニューヨークまで出かけてこれはないだろうと思う。ついでに海外ロケもしてみたかったのだろうか。そして、本作の見所はファッションショーの綺麗なモデルさん。モハメド・アリの気持ちがよく分る。
物語はなかなか面白いのだが、いろんな事件が起こりすぎて松山善三脚本は収拾がつかなくなったのか、上映時間に合わせて脚本をカットしていったのか、おそらく後者だと思うが繋がりがものすごく悪い。おまけに意味不明のイメージカットが多くこっちをカットすればいいのに、と思ったりもする。そんな画面を観ていると、つい日常のあれやこれやに思いを巡らせてしまう。緊迫感がないのだ。
東京とニューヨークの連絡が悪いのか、ジョー山中の死を知ってニューヨークで行方をくらませた彼の父親が、ニューヨークに渡った松田優作にお前の息子は死んだと聞かされて驚愕の表情をしているのは変だなあ。
ニューヨークの場面で見たことがあるなとおもった俳優がいて、後で調べるとテレビドラマ「コンバット」のヘンリー少尉役のリック・ジェイソンだった。きっと角川さんが好きだったんだろう。
ラストのジョージ・ケネディの死は松田優作の怨念だとでもいうのだろうか。意味が分からない。
22歳の高沢順子が可愛らしく『新・同棲時代』をまた観たくなった。
原作森村誠一 。監督佐藤純彌 。