このレビューはネタバレを含みます
「母さん、僕のあの帽子どうしたでせうね ええ、夏、碓氷から霧積へ行くみちで 渓谷へ落としたあの麦藁帽ですよ…」から始まる西條八十の詩をモチーフにした、グローバルな『母を訪ねて三千里』。ジョー山中の音楽経由で本作を知り、鑑賞。
莫大な広告費でヒット作になるべくしてヒット作になった本作は、職人気質な映画人に好かれない方法で作られた、「角川商法」と呼ばれる売り方とセットで語られ、作品としての評価は高くない気がします。
私はあまり映画の知識もないですし、本作の本体とも言うべき「過剰な広告」と切り離された状態で鑑賞しているせいもあるのか、雰囲気もあるし面白かったなーという感想でした。
映画的ご都合主義とも取られる「神の悪戯が過ぎる偶然の連続」はどこか戯画的?に見えて悪い印象ではなく、モチーフの西條八十の詩がノスタルジックでいいなあと。あとやっぱロケが非常に美しい!
結局、ヘイワード親子と麦わら帽子と西條八十の詩集にどんなエピソードがあったのか語られませんが、彼らの日本での思い出のイコンとしての麦わら帽子であり、それを詩として語るのが西條八十という円環的な構図なので、エピソードがどうだかはどうでもいいと思いました。
なんか不当に低評価されてるのでは…と個人的には思いました。以上🫡