チャップリンの映画監督としての「作家性」が開花した記念碑でもあるヒューマン・コメディの快作で『キッド』と双璧の【人生捨てたものじゃない】といった貧しい人々への応援歌でもある。
子犬🐶が可愛い。あと、ヒロインも。乞食王子チャーリーの息もつかせぬドタバタ・アクションと醜い人間のエゴイズムが跋扈する世界で敢えて「良心」を捨てない姿勢に泣かせられる。ぼくも子犬と一緒に小ぢんまり生きていたいモノです。
最後はやはりハッピーエンドで幕を閉じる。良いことをした人には必ず幸福が訪れるといった倫理的なオチとなっており、現代には失われた道徳心や人間性がクッキリ表出している。
チャップリンの映画はいつもベタなおセンチで溢れているのだが、本作はそこまで鼻につかず短い尺をサラリと楽しめるエンタメとして非常に良く纏まったハッピーな短編となっている。
絶望的な世の中でも希望を持てば、明るくなれるサ!といった極めてポジティブな意志を感じられる傑作喜劇。