Sankawa7

乱のSankawa7のレビュー・感想・評価

(1985年製作の映画)
3.7
WOWOW録画

シェークスピアのリア王✖️毛利元就
から創作された一文字家の家督相続を巡る見事な悲劇と恩讐、老いによる喪失の話
黒澤明監督の集大成作品とされる。
🏯🔥🐴

当時の日本では制作費が集まらず日仏合作となり、衣装ワダ・エミのアカデミー賞受賞、英国アカデミー賞外国映画賞など海外で高く評価され、当時の日本では時代劇を期待したオーディエンスから酷評された。

グローバルコンテンツを外国人でなく日本人が作ったという事実、そのためには世界観をこの様に翻案すれば通じるという手本のような映画作り。
さすが、スピルバーグが映像界のシェークスピアだと称えた世界の黒澤明だ。

中途半端に大きなガラパゴスであるため韓国の様に外向きに振り切れない日本は今でも殻を割り切れていないのに、当時ここまで作り上げた黒澤監督はただただ凄い。

原色の甲冑、異様な仲代達矢のメイク、リアルな当時メイクの原田美枝子が印象に残る。あとは武士道の手本のような井川比佐志が良かった。
語り部のピーターはイマイチ。

血なまぐさいアングロサクソンの話を日本の戦国に置き換えた着眼点、戦国映画にて架空の人物を主役にするなど今ですらだれも真似出来ないと思う。老いによる喪失は日本的でなく、アングロサクソンの狩猟民族的着想だ。

日本人によるグローバルコンテンツの手本
海外製作の「ラストサムライ」のような、なんちゃって感が一切ない‼️
Sankawa7

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