半兵衛

暁の出撃の半兵衛のレビュー・感想・評価

暁の出撃(1954年製作の映画)
4.1
第二次世界大戦でイギリス軍がドイツのダムを破壊するため、通常の爆弾投下ではダメージを受けないので小石を水の上に投げる要領で爆弾を投入→爆破に至る実際の作戦をプロジェクトX風に淡々と地道に描いていくドラマも見ごたえがあるけれど、それ以上に本物の飛行機が低空飛行してダムの水面スレスレに飛んだりイギリスの町中を戦闘機が飛ぶなどガチな映像の数々が迫力があり圧巻。

終盤のダム破壊シーンも特撮と実写が巧妙に編集されていて本物の映像を見せられているような錯覚に陥るけれど、被害を受ける一般人の様子もきちんと描かれているため「戦争ってやはり犠牲になるのは一般人なんだな」と改めて突きつけられることに。そして多数の犠牲を出しても顔色変えずに作戦を忠実に遂行するギブソン大佐と作戦を立案したもののプランと違い犠牲者が出まくったことに狼狽する立案者との対比がクールに描かれるラストが渋い。

ちなみに映画では描かれていないけれどギブソン大佐はこの作戦から2年後の1944年に戦死しており、彼が飼っている犬の最後やラストはそれを踏まえて鑑賞すると一層心に響くものがある。
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