ジャイロ

暁の出撃のジャイロのレビュー・感想・評価

暁の出撃(1954年製作の映画)
3.8
陸『T-34』

海『ハンターキラー潜航せよ』

と来たら、やっぱりこれですよね。

空『暁の出撃』

同名のアメリカ映画のミュージカルとは違います。イギリス映画です。確かにスター・ウォーズでした。デス・スターはダムだったのか…

この映画、最初から最後までたった一つのことだけを描いています。第二次世界大戦で実際に決行された秘密作戦。その名も…その名も…名前無いのこれ?

追記
チャスタイズ作戦

標的はメーネ、エーデル、そしてゾルぺ。宇宙要塞…ではなく、ダムです。巨大ダム。ちょっと不謹慎な気もしなくもないけど水責めになります。ナチスの軍事工場に壊滅的打撃を与えるために秘密作戦が決行されるのか、それともされないのか、もうドキドキします。

ノックする者にだけドアは開かれる

アホの一念岩をも通す

どことなくリチャード・ギアに似ている博士の一念はダムを通すのか、それとも通さないのか。前人未到の大作戦は、いったいどうなってしまうのか!!!

度重なる実験に次ぐ実験により、作戦は徐々に現実味を帯びてきます。作戦中止の危機をひとつずつ乗り越えて、それでもなかなか成功しないもんだから気が気ではありません。


差別用語がひどくてここでは書けないような名前の犬も登場するのですが、字幕では別の名前になってるから忖度したんだろうなぁ。


かくしてイギリス空軍第617飛行中隊は、暁の空に飛び立つのです。でも夜だよねこれ。全然暁に出撃しないの。誰?こんな邦題つけた人。
原題『The DAM BUSTERS』だし、暁に出撃しません。間違いありません。はい。


対空砲火のゲリラ豪雨「メーネ」

要害堅固、鉄壁の「エーデル」

難攻不落(たぶん)の「ゾルぺ」

聞いてた話とだいぶ違う現実に、歴戦の空の勇者でさえも戸惑いを隠せません。ああ、次々と墜ちていく反乱軍のXウイング、じゃなくてバスターズのアブロランカスター。決してうまくはいかぬ現実に観てるこっちもドキドキします。デス・スター恐るべし。興奮のラストに眠気もぶっ飛びました。

重くのし掛かってくる結末に、これが戦争なんだってことを思い知らされる。重い。重いけどこれ、現実なのよね。