にゃんこむ

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊のにゃんこむのレビュー・感想・評価

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)
4.5
企業のネットが星を被い
電子や光が駆け巡っても
国家や民族が消えてなくなるほど
情報化されていない近未来―――

『イノセンス』も初めて見た時は作画が凄いと思いましたが、こちらも凄い。1995年のアニメとは思えませんね。セルアニメだからこその迫力がある作品です。

この作品が製作されてから、現実の技術が進歩しているので、車内で携帯電話ではなく固定電話もどきを使っていたり、やや古臭い描写はありますが、気になるのはそれくらい。

プロローグの”企業のネットが~”という説明も絶妙で、電脳化やサイボーグ化、光学迷彩など様々な技術発展がされている中、一方ではいまだにゴミ収集車は街中を走っていたり、その街中は看板に溢れ雑然としていたり、そういう現実に即した世界観の作りが上手い。

難解系アニメに分類されがちですが、大筋のストーリーはわかりやすいですし感覚的に面白い!!と思えるのがこの作品の良いところ。

自分を自分たらしめるのは何か。
身体か?記憶か?心か?
哲学的ではありますが、かなり易しく掘り下げてくれている印象があります。
全身義体化したサイボーグが出てきたり、偽りの記憶を植えつけられて人がいたり、自分の意志はコピーされた模造品なんじゃないかという疑問が出てきたり。
何が欠けたら自分では無くなるのか、また何が根拠で自己を認識しているのか。誰しも一度くらいは考えた事のあることだからこそ、ストーリーは受け入れやすいんじゃないかなぁと思いました。

ハリウッド版の『GHOST IN THE SHELL』も映像やアクションはなかなかでしたが、恋愛要素を入れたのが微妙でしたね……。
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