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Blue Heron(原題)
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『Blue Heron(原題)』に投稿された感想・評価

[カナダ、異父兄のこと、両親のこと、私のこと] 90点

大傑作。ソフィー・ロムヴァリ(Sophy Romvari)長編一作目。カナダ生まれのハンガリー移民二世の監督は、2016年に発表した短編『Nine Behind』から一貫して自身の分裂したアイデンティティを探し求める作品を作り続けてきた。ハンガリーにいる祖父母との物語(『Grandma's House』『Remembrance of Józself Romvári』)、亡くなった二人の兄の物語(『Still Processing』)などを、ドキュメンタリーとフィクションを混ぜながら描くことで、虚構が現実に血肉を与えるように、分裂したアイデンティティを縫い合わせてきた。本作品は初の劇映画であり、その集大成ともいえる作品となっている(らしい)。物語は大きく二部構成になっている。1990年代後半、バンクーバーに引っ越してきた一家には四人の子供がいた。8歳の主人公サシャと年齢の近い二人の兄弟、そして年の離れた異父兄ジェレミーだ。ジェレミーは問題児であり、突飛な行動をして両親を困らせていた。映画の前半部分ではサシャの目線で見た90年代後半の家族の記憶を再演していく。幼いサシャは不安定な兄から距離を取っていて、常に彼のケアに追われる両親からの愛を渇望しているように見える。すると中盤で大人になったサシャが登場する。彼女は冒頭でこう言っていた。"幼少期の記憶をほとんど思い出せない、記憶は断片的にあるが信頼には足らない、人生の大半は彼に怒りを向けていたが、年を重ねるごとに彼を全く知らなかったように感じる"と(この怒りは自分自身を制御できないことではなく両親の目線を奪ったことへの怒りだろうか)。ジェレミーとは何者だったのか。何を考え、どうしていたら彼に寄り添えたのか。現役のソーシャルワーカーと話しても、かつて両親を支えた女性と話しても、正解は出てこない。監督がサシャを通して選んだのは、それでも、いや、だからこそ会いに行くということだ。私ならこうした!という"正解"の提示ではなく、むしろ"正解"は分からないが手を差し出すための訪問である。二人と言いつつ、もう一人の兄の話ばかりしていた『Still Processing』を踏まえて考えると、整理の付かない感情を整理するという意味で大きな一歩と言えるだろう。

撮影も、特に後半のパートは素晴らしい。合わせ鏡や反射を用いた分裂のイメージが多用され、時間を遡って両親に会いに行くという手法と繋げつつ、サシャの中で未だに整理の付かない感情や答えのない疑問とも共鳴している。或いは、本当に過去を改変して、どうにか"良い"未来を手繰り寄せようとしているのかもしれない。両親とのセッションをする際は、ちょうど両親の間にソファとカーテンの切れ目がくることで、"合成じゃないのに合成に見える芸人三組の写真"のように二人の間に見えない裂け目が視覚化されてくるかのようだった。

映画では写真やジェレミーの描いた地図などが印象的なモチーフとして登場していた。サシャの調査はソフィア・ボーダノヴィッチによる"アーカイブ探偵"ことオードリー・ベナックの手法にも似ていたし、死者と生者の交錯という意味ではグラハム・フォイにも似ていた。オードリーのユニバースが終焉を迎えた翌年に、この映画に出会えたのは奇跡に違いない。間違いなくカナダ新生代を継ぐ世代の一人だ!