ゴン

グエムル -漢江の怪物-のゴンのネタバレレビュー・内容・結末

グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ああ…めちゃくちゃ怖かった…

怪獣ものの経験値が記憶にある限りでシンゴジラとラブ&ピースという異色作だけなので、わりとこの作品で洗礼を受けた感じ
怪物のビジュアルが…グロい!"デカい水棲生物"としか形容できない感じ。こんなのに襲われて死ぬなんてやだよ。シンゴジラは神性すら帯びた生き物だったし、そもそも市井の人の死はほんと匂わす程度だったから、こんな風に生々しい死を見せつけられてほんとビックリした。いや、普通に覚悟はしてたけどそれでもビックリした。ビックリ。

物語の骨格は、怪物に奪われた娘ヒョンソを救い出すために、ダメダメな男カンドゥとその家族が奮闘するってことなんだけど、この男本当にダメすぎて。ダメさ加減に泣けてくるほど。でもだからこそラストの戦闘シーンは良かった。兄弟が手を携えて怪物を倒す、その首尾のよさ。迷いなくアーチェリーを構えるペドゥナも最高に素敵…

カンドゥは父親の死を通して1つ変わり、娘の死に直面して2つ変わる、みたいな感じがしました。麻酔が効かないのは、それまで暇さえあれば寝ていたっていう、カンドゥのダメさの象徴みたいなもののアンチテーゼだったのではないかと。麻酔が効かない状態での脳手術痛そうだったな…。

あと、やっぱりご飯が1番!みたいなのは韓国の文化を感じたなあ。ヒョンソから電話をもらってもオロオロするだけだったのが、お腹空いてるだろうな…のひとことですぐ行動のシークエンスに移るとか。家族の食事シーンになぜかヒョンソの姿があるとか。ヒョンソがセジュに食べたいものを聞くとか。ラストのセジュの「ご飯に集中」の言葉とかね。事件のニュースやってるテレビを消してのひとことだからそこも示唆に富んでるなと。ご飯さえ食べられたら人はなんとかなる!

カンドゥは最後、漢江の守り人みたいになったのかな。ともかくも、守るべき何かを確信している、人間として父親としての成長を感じるいいラストでした。

あーキツかった。
ゴン

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