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ふたりのヌーヴェルヴァーグ ゴダールとトリュフォーのmamのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

貧しいトリュフォーと裕福なゴダール。
生い立ちは違えど、映画を通じて育まれた友情。やがて革命の嵐によって袂を別つことになる2人...。

カイエ誌に評論家として執筆していた2人はリヴェット、シャブロルとともに若き急進派として名を馳せる。

"映画狂(シネフィル)の人生とは、闇の王国に自分を見出すこと"

トリュフォーはヒッチコックに、ゴダールはフリッツ・ラングに、それぞれ敬愛する監督にインタビュー。
他にもロッセリーニ、ルノワール、ベルイマンの素晴らしさについて語る。
大人は判ってくれないのJ=Pレオーと、勝手にしやがれのジーン・セバーグのアップによるラストは、ベルイマンの不良少女モニカに影響を受けたものみたい。

ゴダール作品、以前と以後。

1966年4月
リヴェットの修道女が公開禁止となり、ドゴール政権とマルロー文化相を激しく非難するゴダール。

1968年2月
マルロー大臣によって、シネマテーク創立者のアンリ・ラングロワ館長が職を追われ、復職を訴えたゴダールとトリュフォーは第一線で闘う。
五月革命より3ヶ月早く起こった映画界によるデモは、J=Pレオー、ニコラス・レイ、リヴェット、シャブロル、ジャン・ユスターシュ、アラン・レネなど多くの映画人が集い、見事ラングロワの復職を勝ち取る。
五月革命が始まると学生や労働者の列に映画人も加わりカンヌでは映画祭の中止を要求。
あくまで映画祭の中止だけを望むトリュフォーと、学生らと共闘する姿勢のゴダールとの間に温度差が生じ始める。

ゴダールは政治的に急進化し、映画・人生・友人関係を変え(何かカルト宗教感...)、トリュフォーは政治より映画への愛に生きることに。

五月革命以後は異なる道を歩む事になり、決定的に亀裂の入った2人がその後再会する事はなかったそう...。

ヌーヴェル・ヴァーグの2人の父親の不和に挟まれるJ=Pレオーが不憫だった。
エンドロールのまだ14歳なのにしっかりした受け答えのオーディションに魅了される。幼いレオーの瞳が輝いていて可愛かったな...。

ジャック・ドュミのローラ観なくちゃ!

2022-78 再見 U-NEXT
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