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君に届けのkanaco4月末までお休み中のレビュー・感想・評価

君に届け(2010年製作の映画)
3.3
少女コミック『君に届け』の実写映画化。見た目の暗さから〈貞子〉というあだ名で呼ばれる高校1年生の爽子が、噂ではなくその人の本質を見抜いてくれる想い人や親友たちに出会い、自分の殻を打ち破って青春を謳歌していくキラキラ爽やかな成長物語。実写になることで一部エグみが増すなぁとは思った🤔(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

サンリオ人気キャラクターのプロフィールを読んでマイリストから見る作品をチョイスするシリーズ(ご興味のない方すみません)。

2023年サンリオキャラクター大賞で71位〈るるる学園〉。1989年デビュー。るるる学園に通っている元気で明るい女子高生6人組。胸の赤いリボンと襟とスカートが深緑色のセーラー服がトレードマーク。高ビー(高ビーって今伝わるのかな?)な温室育ちのお嬢様“なおみ”、彼氏に夢中なぶりっ子娘“まいこ”、ハデ好きで宝塚に憧れる“ちえ”、月に5回ライブに行くほどロック好きな“よしこ”、情報魔でせっかち屋な“とも”、礼儀正しいスポ根娘の“てるみ”という仲良しな女の子たちです。

このキャラクターは流行が短くて、私と完全同世代の方でないと見かけたことすらないのでは…という気すらする🤔ただ一応キャラクター大賞も1992年 2位、1993年3位、1994年 4位の実績を残しています🤭私もこのキャラのメモ帳を持っていた~。

というわけでマイリストの中で日本の女子高生が主人公のこの映画をチョイス。ホラー映画を除いた日本の女子高生がメインの映画、マイリストにこれしかなかった🤣(つまりは全然関係ないってことです🥳)。

◆あらすじ◆
黒沼爽子は容姿が暗くて一見近づきがたい高校1年生。その雰囲気から〈貞子〉とあだ名をつけられて周囲から怖がられ避けられていた。でも本当は引っ込み思案というだけの、健気で心優しい、他人の事ばかりに気を遣ってしまう女の子だった。一方、同じクラスの男女共に人気のある爽やかイケメン男子・風早 翔太は4月に桜の下で爽子に出会ったその日から、彼女に特別な感情を抱いていた。人の噂などに左右されない性格を持つ風早は、爽子と親しくなるために積極的に話しかける。それが誰からも避けられる学校生活を送っていた爽子の環境に良い変化を与えていく。しかし風早の気持ちそのものは、なかなか伝わらず…。

❶少女コミック『君に届け』を実写映画化した、爽やかな高校生の恋愛・青春ドラマ

『別冊マーガレット』で連載されていた椎名軽穂の少女コミック『君に届け』を実写映画化した、高校生の恋愛・青春ドラマです。私はこの手のジャンル映画は苦手なので基本的に選択しないのですが、原作『君に届け』は大人になってから珍しく読んだ数少ない少女コミックで、面白かった記憶があるので気になっていました(ただし、途中までしか読んでいない)😀✨

主人公は高校1年生の黒沼爽子。大人しくて口下手、引っ込み思案な性格なこと、長い黒髪を重めおろし、自信のなさから基本うつむき加減であるゆえに顔に影を作って暗そうに見えること、悩んだり緊張したりするとしかめっ面になってしまうことが災いして、クラスメイトのみならず教師からも怖がられ、ついたあだ名が〈貞子〉。両親からはしっかり愛されていますが、学校では「三秒間、目を合わせたら呪われる」と皆から避けられてしまう学校生活を送っています。本当は心優しくて、自分よりも人のことばかり考えてしまう、初心で善良の塊のような女の子です。

そんな爽子が、学校一番の爽やかイケメンの風早 翔太に見染められ、穏やかかつ積極的にアプローチされ続け、背中を押されて日常の中で自分の気持ちを相手に伝えるという勇気を少しずつ持って行きます。あやね、千鶴という女の子の親友もできて様々な経験をしながら青春を送っていく…そんな中で、肝心の風早との恋の行方は?…という物語です。

〈貞子〉こと爽子を多部未華子、爽やかで一途な風早を三浦春馬、見た目はヤンキーギャルだけど優しくて頼りになる親友2人…千鶴を蓮佛美沙子、あやねを夏菜が演じ、爽子の恋のライバル胡桃沢梅を桐谷美玲が演じます。

❷〈貞子〉と呼ばれていた少女が自分の殻を打ち破って友達と青春を謳歌する物語

人の噂や見た目に流されがちなクラスメイトの中で、また同じように〈自分に自信がない〉〈人に気を使いすぎる〉〈人に避けられるということに慣れ過ぎてしまった〉ゆえに噂に振り回されてしまう爽子が、噂に左右されずにその人の本質を見抜くことを大切にしている友人たち…風早 、あやね、千鶴、そして千鶴のお馴染みの龍に囲まれて影響されることで、自分の殻から一歩踏み出して成長していくという物語。序盤と終盤こそ爽子と風早の恋愛がメインですが、中盤は爽子、あやね、千鶴の女子の友情とその結束がメインです。桜咲く4月から雪が降る大晦日までの爽子の青春と成長記を恋愛と友情ひっくるめて描くという感じかしら🤗

仲間たちと織り成す物語はとても爽やかです。みな優しく、等身大で良い子たちです。爽子と風早も、爽やかな熱血少年×心優しい天然少女という組み合わせなので、双方一目惚れですが接近してお互いをより惹かれあい、周りの環境は別にして2人の温度感そんなに崩れません。しかし、そうやって確実にお互いを想いあっている恋愛でも、友情でも、ほんの少しの掛け違いですれ違ったり、思い悩んだり、もどかしい気持ちになったり🤔

〈君に届け〉というタイトルの通り、自分の気持ちに向き合うこと、相手の気持ちを考えること、それを言葉にして相手に届けることの大切さを学びながら成長していくのが印象的でした。

❸実写化されることでコミックよりエグみを感じるなぁ、と思ったこと

正直な所、コミックを読んだのが10年以上前なので細かいことを覚えていません。そのため原作に忠実だったのかどうかは比べられません。雰囲気はおおよそあっていたのかなぁ~と思います🤔一方で、コミックであればサラリと流せたところが、実写になることでエグく感じる部分があったかな、と思いました。特に気になったところは、

・イジメに部類されるクラスメイトたちの態度。直接的に暴行を加えるとか粘着するわけではなく、怖い噂があって爽子自身が陰鬱なので〈とにかく“堂々”と避ける〉というのがメイン。そのため本人たちにいわゆる明確なイジメ意識はなく「ちょっとふざけすぎただけ」「噂があって怖いから話しかけづらいし、近寄らないだけ」というリアルさ。

・中盤までの〈大人しい〉とか〈不器用〉という言葉では片付けられないほどの、爽子の徹底的な自己犠牲精神と自分“下げ”。何があっても反骨精神が全く皆無(ただし仲間たちと出会ってココが成長していくのが本作の良いところでもある)。

・「三秒間、目を合わせたら呪われる」という噂を生徒たちと同じように一緒に信じたり、生徒からの預かり物を平気で無くしたりしても謝る態度もなく、あまりにも適当で軽率な行動をとり続ける担任教師のキャラクター性。

これらは、本質は変わらずともコミックだと絵柄や絵の描き方で、個性としてカバーされたり後の展開でフォローされたりするのですが、実写化するとリアルがより加わるのでダイレクトに陰湿さが伝わり、エグみが増し増しだなぁ~と思いました🤔

あと、爽子のスカート丈が最初からギャル並に短いのは「違うなぁ」と。あの性格であの短さは違和感だし、原作も長めだったイメージが…🤔(朧気)

🌸🐝「最初クルミちゃんのキャラクター、こんなだったっけ??と思っていたら、途中で別少女コミック『彼氏彼女の事情』の芝姫 つばさと勘違いしていることに気がつきました。全然違うキャラクターだった😂」