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The Sky Trembles and the Earth Is Afraid and the Two Eyes Are Not Brothers(原題)

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『The Sky Trembles and the Earth Is Afraid and the Two Eyes Are Not Brothers(原題)』に投稿された感想・評価

4.0
【撮る行為の加害性に対して】
日本未公開映画を広めるサークル「コーンビーム」が今年の初めにクラウドファンディングで映画祭を開こうとしていた。日本未公開映画を広める活動をしている身として応援したかったので出資し、無事FESTA INCOGNITAが開催された。前日、徹夜した関係もあり2本だけ鑑賞したのだが、『The Sky Trembles and the Earth Is Afraid and the Two Eyes Are Not Brothers』が思わぬ傑作であった。

本作はオリバー・ラクセ『MIMOSAS』の裏側をベン・リヴァースが密着するところから始まる。雄大なモロッコの大地を現地民交えて練り歩く。それは映画撮影と言うよりかは冒険といった趣があり、映画撮影がある種フィクショナルな冒険譚であることを示唆している。この光景から2つの視点が浮かび上がる。まず、『MIMOSAS』及び本作の撮影は『Sirât』に繋がってくるであろう点だ。日本では来年公開なため、『Sirât』は鑑賞できていないものの、荒野が心象世界のように映っていく様は予告編でも確認でき、共通していると判断できる。次に、撮影現場の面白さである。

たとえば、崖から背中向きで飛び降りる場面がある。どのように撮影しているのかというと、地面に大量の段ボール箱を組み立て、その上に巨大なマットを敷き撮影を行っているのだ。安全対策は行われているものの、それでもある程度の高さがあり怖いものがある。

そして、『The Sky Trembles and the Earth Is Afraid and the Two Eyes Are Not Brothers』は後半からベン・リヴァースによるオリジナルな物語へと迷い込む。オリヴァー・ラクセ監督が原住民に誘拐され、全身廃材の皿で覆われたゴミ人間にされ、奴隷として売り飛ばされるのである。異国の地で不条理に巻き込まれる様は、撮影者として土足でその地に踏み入れる植民地主義的加害性のしっぺ返しの寓話として描かれているのである。彼にとっては不条理であれども原住民にとってはそれはシステムによって動いている。そのシステムの表層をなぞろうとする者がが深層でもって殴られる映画監督としての戒めがユニークな形で現出したのである。
死因
3.0
2025年11月16日「FESTA INCOGNITA」にて上映。

ベン・リヴァース監督作。
自身の映画を撮影するために、モロッコに訪れていたオリヴァー・ラクセ監督。本作は、そんな彼に密着するドキュメンタリー...のはずだった。現実、映画、劇中劇が入れ替わり続ける、新感覚アヴァンギャルドホラー。

映画は、モロッコのアトラス山脈にて、オリヴァー・ラクセ監督が自身の新作「MIMOSAS」を撮影している現場から始まる。その撮影現場及び移動が、ロングショットやパンによって収められる。この時点で、「MIMOSAS」の為定められたロケーションが「The Sky Trembles and the Earth Is Afraid and the Two Eyes Are Not Brothers」としても自然に溶け込んでいる。

本作は、現実(撮影現場)とフィクション(ホラー部分)が交差し続ける、いわばメタフィクション的構造なのだけど、なんと言っても特殊なのが、劇中で撮影されている「MIMOSAS」は架空の映画ではない点(2016年:原題『ميموزا』/監督:オリヴァー・ラクセ)。確かに実在する映画撮影現場という「現実」を土台とし、徐々にその「現実」とフィクションの境界線を曖昧にして行く。

後半からは完全にベン・リヴァースの映画だ。「MIMOSAS」の撮影現場は終わり、オリヴァー・ラクセは現地民に導かれる。ラクセは、砂漠の部族に捕らえられ、文字通りのゴミ人間にされる。全身に金属缶の装飾を施された姿は、(監督として)身体を操作する観察者の立場から一転し、観察対象に転落したことの表現でもある。

また、ゴミ人間となったラクセの姿が、自然と大地へと溶け込んでひとつの絵となるのも面白い。故に、ラストショットの長回しは圧巻だったが、それにしても、良い意味でつかみどころのないフワフワした映画だった。
モロッコで撮影された『Mimosas』という映画の撮影風景ドキュメンタリーのはずが......
今までにない作品構造をした実験映画。ドキュメンタリーを盾にした強烈なメタフィクションである

当日Festa Incognitaで上映された作品の中で1番好きだった。国内円盤化が頓挫してしまったのが非常に残念。