サミー

ポーラXのサミーのレビュー・感想・評価

ポーラX(1999年製作の映画)
2.7
「感想」
正直懐かしいなぁと思います。
思い出すと、公開時にライズに2回も見に行ったんですよ。
一緒に行った連れは耐えられなくて、途中で退席してしまいました。

でもね、私、本作が大好きなんですよね。
陰鬱で、最後まで世の中に対しては光が見出せなくて。最後は主人公の親しい人がほぼみんな死んでしまうっていう…あのカトリーヌ・ドヌーヴが死ぬんですよ。
姉弟で愛を互いに求め合うも、そこには心の病み・痛みと葛藤と来るのがなんとなくわかっている破滅しかなくて。
なんか、若い頃のレオス・カラックスって感じです。

彼は本作の頃には彼にとって永遠の恋人であったジュリエット・ビノッシュに去られていて疲れ切っていたと聞いています。
本作にはそれが影響しているのかもしれませんね。


主演の2人はねぇ…もう2人とも亡くなってしまっていますからね。しかも若くして…
あの輝ける才能考えると、非常にもったいなかった。
もともと両者ともに破滅的なところがある方たちだったらしいですけどね。
こんなことを言ってはいけないのでしょうが、その意味では、まさに本作には手すきだったのかもしれません。
本作では、とても刹那的で美しかったです。



本作は「白鯨」で知られるあのハーマン・メルヴィル作「ピエール」を映像化したものです。
フランス語の題名の頭文字に、謎や映画の要点・核心に当たるXをつけてPola Xだとか
*この辺はパンフレットの受け売りです。ツッコまないでください。
メルヴィル発狂す!と発行当時にいわれたとか。
なるほど、(映像化当時の)現代的にアレンジをされてますが、おおよそ一緒です。
この本自体が当時としてもなかなか手に入らなくて、読むのが大変でした。さんざん手を尽くし…た訳ではなく、図書館で借りました。
今、アXゾYを見たら超高いじゃん…バカじゃないの!?
小説というのは誰もが読めるものじゃないと。その国の教養とか文化とかが発展とか成長しなくなる。
サミー

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