大げさ演技や映画的脚色を排し、聖書に則った簡潔な言葉と壮大な景観と音楽のみで綴るイエスの物語。
聖書の時代にタイムスリップしたかのようなロケーションと撮影は圧巻。
美術史をやっていると各エピソードがより理解しやすい。
「ペテロの否認」や「ゴルゴダの丘」、「磔刑」そして「復活」。
終盤のドラマティックさは息を呑む。
映画としての抑揚はあまりないが、見事な宗教画を何作も見せられるような総合芸術。
序盤の「東方三博士の礼拝」、「ベツレヘムの嬰児虐殺」なども含め、それぞれのシーンの代表的な宗教画を思い浮かべながら見る。