みんと

ロング・グッドバイのみんとのレビュー・感想・評価

ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)
4.0
カルト映画として有名なのは知ってたけど、ジャケのイメージとは全く違ってた。けど、なんか好き。

冒頭からムード酔いが抑えられないジャジーな音楽に心を鷲掴み。
更には私立探偵フィリップ・マーロウのキャラをしっかり植え付けた冒頭の猫ちゃんとのくだりでも鷲掴み。
そして最終的には、掴みどころのないマーロウの魅力的キャラに最後まで引っ張られた印象。

ハードボイルドにしてはゆる過ぎる。こんなんで良いの?… いや、そのゆるさがイイ。
そして、ちょいちょい挟む向かいに住む半裸ダンサー達。シュールなお色気シーンが癖になるし、良いアクセントにもなってた。全く見向きもしないマーロウにも笑える。

ストーリーを追い過ぎると楽しめないだろう空気を察知してからは肩の力を抜いた。
ある意味雰囲気映画だと割り切った。…途端、気楽に楽しめるぶんキリッと着地のクールさが効いてくる。

マーロウ作品はロバート・ミッチャムの『さらば愛しき女よ』を観たけれど、あちらではスタローンが初々しく登場してた。
今作ではシュワちゃんが同じく初々しく肉体を披露してたのは偶然にしては出来すぎてる?笑

一貫したお茶目でゆるいマーロウのキャラクターがかなり魅力的だった。カッコ良すぎないカッコ良さが好印象。ルパン三世やベルモンド的な“抜け男の美学“が詰まった作品だった。… と思う。
好きな人は大好きな類の。


ともあれ、今作で1番のハードボイルドはあの飼い猫ちゃん。
いったい何処に行ったんだろう…
みんと

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