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ロング・グッドバイのpauhのネタバレレビュー・内容・結末

ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

特別強いという訳でもないし振り回されっぱなしで終始気怠い感じながらも、それが渋くて癖になりかっこよかったです。
冒頭から愛猫に振り回されてる様子が微笑ましく、夜中にわざわざお気に入りのフードを買いに行き買えなかったのを誤魔化す為に缶を入れ替え、「買ってきたよー」と演技までしている姿に笑ってしまいました。
その後も容疑者の行方を聞かれているのに猫の話をしたり何かとあれば猫を探しているのを見て、充分なほど猫愛が伝わってきて癒されました。
作中通して猫だけでなく犬もよく登場していて可愛かったです。
ストーリー自体ハラハラドキドキのような緊張感がある訳ではないものの少しずつ真相に近づいていくのが面白く、真実が分かるまで友人を絶対に信じ続ける自分の芯を持った強さと、顔まで隠れた怪我人を影武者代わりに使うような飄々としたカッコ良さなど、主人公の人間性も魅力的で最後まで楽しめました。
最後には信じていた友人がクソ野郎だった事がわかり、容赦無く撃ち殺すのもかっこよかったです。
作中印象的だった、どこでも関係なくマッチを擦り火をつけるワイルドさ(?)もかっこよくて少しやってみたくなりました。
また、素っ裸でいつ見てもヨガをしているお隣さん集団ややたらと映画俳優のモノマネばかりしている男、何故かハーモニカをくれた満身創痍男など少し変な世界観なのも不思議な魅力があり良かったです。
途中の浜で波と戯れる主人公と会話する2人を窓の反射を利用して同時に映すカットは天才的で、そういった細かい部分も惹き込まれて見応えがありました。
それと、ストーリーには関係無いですが、後半主人公が搬送された救急車がかっこよくてお洒落でした。
最初から最後まで渋くて癖になる、かっこいい作品でした!
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