Nella

ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間のNellaのネタバレレビュー・内容・結末

2.2

このレビューはネタバレを含みます

ドナとオードリーどこ行ったの…?

S1は「美少女が殺されるのっていいですよね…!」みたいな、なんていうか情緒一発のワンアイデアが良かったんだと思う。絵画を描く時にあれこれテーマを入れないのと同じで。美少女と殺人事件、イイ!!という情動が漲ってて良かった。S1のクライマックスはローラの葬儀だと思う。「上下する棺桶にかぶさるリーランド」で近親相姦を表現しており、近親相姦の表現でこんなに笑えるものをあまり見たことがない。ボビーの演説も素晴らしく、この役者さんスゲーと思った。ラストのオードリーのポーズとか、芸術的な美しさで大好き。
S2はわたし全然駄目だった。ストーリーの質が下世話な週刊誌レベル。キャラ多すぎドタバタしすぎ、演出も下品で、とても上質なミステリとは言い難い。
そして本作ですが冒頭で申し上げた通り、ドナとオードリーどこ行ったの…?リキャストにもほどがあるよ。まぁ、少女っぽい幼さがリアルJKらしさを醸してはいた(ローラ17歳は流石に無理ありすぎでは)。オードリーの子はリンチと付き合ってたらしいけどその後どうしてるのか気になる。人生駄目にされてない?大丈夫?
この映画のクライマックスはローラともう一人の子(名前失念)が暴行され殺害される場面なので、そこには当然性的暴行も含まれる湾曲表現もあるので、トラウマがある人は注意した方がいいと思う。個人的には怖くはないが、かなり不快だった。しかし同時に「殺される女」に特別なエロスを感じる性癖もある、ということがよく理解できた。ジャンル的には所謂「ショック映画」なのだと思う。
ラストの天使は、たとえ架空のキャラとはいえあんなキモ親父に無理やり犯され続け、薬に走って気がおかしくなった挙げ句殺された、可哀想な田舎町の小さな女の子に対する救いなのかな、と思ってちょっと泣けた。でもやっぱりあからさまにちゃちな作り物の天使な所に限りない悪意を感じるよね。人間を賛える一方で、人間を、というか、特に女を貶める表現に長けていると思う(一応これは褒めてます)。

水を差すような余談なのですが、父娘の禁断の性愛イイ!と思う人はスティーブン・キングの「ドロレス・クレイボーン」とか、真逆の立場視点のものとか読んでバランスを取った方がいいと思う。当然だけど母親と娘にとっては地獄で、ロマンも糞もないので。
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