ボブおじさん

ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間のボブおじさんのレビュー・感想・評価

3.8
デヴィッド・リンチ監督が亡くなったことが16日明らかになった😢

1980年公開の「エレファント・マン」が世界的にヒットし映画ファンの間で知られる存在となったリンチは、その後も「ブルーベルベット」などの作品で一部の映画ファンからはカルト的な人気を得た。

だが彼の名を一般の人々が広く認知する様になったのは、間違いなく日本でも社会現象となったテレビドラマ「ツイン・ピークス」の世界的大ヒットからだろう。

当時レンタルビデオ店の棚にズラリと並んだシリーズは、いつも次の回が貸し出し中で、最後まで見るのに苦労した思い出がある😅

本作は女子高生ローラ・パーマー殺害事件発覚で幕を開けるテレビシリーズの前日譚。〝世界一美しい死体〟として発見されるローラ・パーマー最期の7日間の足取りを追ったミステリーである。

学園一の人気者は何故悲惨な死を遂げたのか、その裏には表の顔と違うもうひとつの顔が隠されていた。

ドラマからファンになった人たちにとっては本作のアブノーマルな世界観や罪深いテーマなどは受けが悪かったとも聞く、そもそもこの作品をミステリーとして観ると肩透かしを食らうかもしれない。

だが監督デヴィッド・リンチのファンとしては、そのカルト的な世界やアブノーマル性、そして観るものを不安にさせる異常な粘着性などは、いかにもリンチの作品であった😅

他の誰にも創り出せない、不気味で異形性に満ちた想像力を独特な色彩と陰鬱な映像で表現する唯一無二の世界観を構築し、常に観るものを困惑させた〝カルトの帝王〟。

またいつか映像の中でお会いしましょう。