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プレシャスのNMのレビュー・感想・評価

プレシャス(2009年製作の映画)
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(視聴途中

プレシャスはひどい虐待に遭っている。父からの暴行で二度目の妊娠中、継母からは暴言と暴力。これまで勉強もろくにできなかった。
この現状から抜け出すチャンスを掴めるか……。

彼女はとても無口。でも当然色んなことを感じ考える。普通のことを。
話すのが苦手なぶん、辛いとき助けてくれるのが想像の時間。つかの間、現実を忘れさせてくれる。

漠然と、このままではまずいと感じたのだろう。大きな一歩を踏み出したプレシャス。
教育を受けていく様子は見もの。ただ単に勉強が苦手なのとはわけが違う。彼女の場合、勉強しようとしても、勉強しても無駄という母の呪いの言葉、そして父の暴力が蘇ってきて文字を読もうとしてもなかなか進まない。精神的な要因も深く関係している。
我々が普通の文字を読み書きできているのは、実はあらゆる幸運が重なった結果であることが思い知らされる。

教師はまるで幼い子どもに一から教えるように文字を読ませていく。
だが、心身は大人であるのに能力だけが子どもという状態は、単に教えるより複雑。プライドや羞恥心はあるので、それを傷つけないように細心の注意が必要。

せっかく周りが努力しても、母は依然として邪魔してくる。
家で過ごすことが何より苦痛そう。テレビを観て、食事を作り、テレビを観ながら食事をとる、その繰り返し。母はずっと在宅し、監視し、暴言を浴びせてくる。
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