かえるのエリー

オペラ座の怪人 25周年記念公演 in ロンドンのかえるのエリーのレビュー・感想・評価

5.0
ロンドン、オペラ座の怪人、ロイヤルアルバートホール。
私にはこれだけで4.5は無条件。

とはいえ、やはり舞台は劇場で観てこそと思っていたので、映像化には今まで手が伸びなかった。すみません、土下座します。観終わった今、ぶっ   ちぎりで5だ。

私の「オペラ座の怪人」への思い入れはジェラルド・バトラー版のレビューで書いたので割愛するが、本当に舞台で観たい作品だ。正直言うと舞台のチケットって庶民には高額で、頻繁に行けるものではないが、本作を観ると、むしろ高くなければいけないと思う。大人数マスカレードの豪華絢爛な衣装、スクリーンを駆使したステージ、劇場を余す事なく使った演出、そして素晴らしい演者たち。コロナ禍でエンタメ業界が苦労してるのも相まって、余計にそう感じる。

ミュージカルは数あれど、オペラ座が一番好きな理由は、やはり全楽曲の素晴らしさと、主役が怪人というゴシックホラー的要素か。本作も主役、準主役と皆の歌が素晴らしい。特に怪人はジェラルドバトラーほどのロック感ではないが、正統派に少しロックテイストを感じる私好みのキャストだった。

今回初めて感じたのは、怪人とクリスティーヌの関係って「羊たちの沈黙」のレクターとクラリスのようだ、と。尊敬する愛、悪と分かっていても惹かれる愛・・・。やはりこの2人の前ではラウルが青二才に感じちゃうんだよな〜。

冒頭で触れたが、映像化する価値のある作品だった。自席からは見えないであろう数々の見せ場が、計算され尽くしたカメラワークで作品を更に盛り上げている。そして本作が25周年の意味が最後に思う存分発揮される!! 興味ある方はご自身でご覧あれ。もしかしたらファンにはそこだけでもお宝かもしれない。まるで実際に舞台に行ったような高揚感で、今夜はなかなか眠れなさそうだ。




【追記 2023/12/16】

娘が音楽の授業の繋ぎで本作を観たそうで。ベテラン音楽の先生曰く「日本語じゃダサい、オリジナルじゃないと」とのこと。そうなのよ!気が合う! 四季が悪いとかではなく、やっぱりミュージカルはオリジナル言語じゃないと!

しかし卒業式の曲の練習が始まり、序盤しか観られなかったと言うので、ドヤ顔で母再生。娘と一緒に大好きな作品を観れたのも相まってまた感動。

嗚呼!ロンドンで観たいよぉぉ〜!!