
都会から離れた温泉街で幼い息子と二人で暮らす小林典子は、社会から孤立する《ひきこもり》を支援する活動をしていた。繋がりを必要としている様々な葛藤を抱えた人々と一心に向き合う彼女の元には、他に行く宛の無い人や相談が集まってくる。ある時いつものように依頼を受けた典子が任されたのは、20年以上ひきこもったままの三浦雅彦という男だった。初めは一切の関係を拒んでいた雅彦も、典子の地道な働きかけにより徐々に周囲と言葉を交わし始める。このまま順調に外の世界へと繋げることができるはずだった。 しかし、彼の中には決してひき出してはならない過去があった…。