デニロ

蛇のひとのデニロのレビュー・感想・評価

蛇のひと(2010年製作の映画)
4.0
一体全体自分が誰のことを好きなのかまったく分からなくなることがある。いや、からだでは分かっているんだけれど、頭の中が整理できない。思いはあるけれど、どう伝えていいのやら、いや、伝えるべき相手は誰なのか。これで良いのか、悪いのか。ちっとも分らなくなる。

相手だけのことを思い、そして、相手を勝手に欲しがる。自分のものだけにしたがる。実を結ぶことだけを思う。相手を抱くことだけを思う。でも、本当だろうか。その思いの相手はその人なのだろうか。頭の中で欲しがりかき抱きキスをする。そんな愚かなことを、という絶望とギリギリのところでひとは蹲る。

永作博美の思いに自分自身を重ねてしまう。
恋は愚かというけれど。

2010年製作公開。脚本三好晶子。監督森淳一 。
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