シネラー

ロッキーのシネラーのレビュー・感想・評価

ロッキー(1976年製作の映画)
4.5
スポーツ映画の金字塔であり、
シルヴェスター・スタローンの代表作で
出世作でもあるシリーズ第1作を再鑑賞。
漢の教科書と言っても過言ではない、
素晴らしいシリーズの始まりだと思う。

自堕落な生活を送る
三流ボクサーのロッキーが、
世界ヘビー級チャンピオンのアポロから
興行的なタイトルマッチの挑戦を受け、
自らを奮い立たせていく内容となっており、
魅力的な人間ドラマや試合へ挑む事への
カタルシスがとても印象的だった。
根が優しくも不器用で
無骨なロッキーだが、
その周囲の人々も内向的で人との
関わり方が不器用と言えるだろう。
ロッキーが好意を寄せるエイドリアン、
エイドリアンの兄で友人のポーリー、
トレーナーであるミッキー、
恋愛、友情、師弟関係においても
互いが素直ではないからこそ、
ロッキーと衝突してから互いの優しさが
感じられる描写が良かった。

そして、
自堕落な人生から脱却するかのように
試合へと挑むロッキーだが、
最初のトレーニングでは
憔悴しきってフィラデルフィア美術館の
階段を駆け上がっていたのが成長する様は、
観ていて身体を動かしたくなる位に
胸が熱くなる場面だ。
試合本番に関しても、
アポロに打ちのめされて
立ち上がる姿に涙腺を刺激され、
どんなに落ち込んでも這い上がる事を
体現したかのような
ロッキーが格好良かった。
もはや試合の勝敗は些細な問題であり、
そこまでに限界まで打ち込んだ展開が
王道ながらも素晴らしかった。

多くの人間ドラマを絡めながら
スポーツ映画としても面白さもある、
情熱的で王道な映画だった。
スタローンの俳優人生とも重なり、
多面的に魅了される傑作だと思った。
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