精神疾患の治療のため、森林地帯の施設へと入れられた青年が、復活した殺人鬼の暗躍に脅かされてしまう。殺人鬼ジェイソンによる殺戮ショーを描いている、人気シリーズ第5弾。
前作のファイナル・ガールの弟が格上げされているが、物語の整合性は完全無視。ジェイソンの墓がある状態からの仕切り直しであり、ジェイソン自体を観念化させる方向で換骨奪胎を目指している。また、本作からジェイソンが走らなくなる。
本作ではパリピー系の若者は登場せず、社会不適合者の男女が被害者になってしまう。「悪魔のいけにえ」のファミリーを彷彿とさせるクルクルパーな老人夫婦の起用など、前作までのエッセンスを適度に残しながら、刺激的な新要素を織り交ぜている。
主人公の青年は、研ぎ澄まされた自己防衛本能により、ひとたびビックリすると凶暴性が表出してしまう。「ジェイソンが現れそうな雰囲気になる→ジェイソンではありませんでした」の反復に辟易させられる気持ちを、主人公側が代弁してくれるところが面白い。