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ビー・デビルのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

ビー・デビル(2010年製作の映画)
4.6
ソウルの銀行に勤める独身女性ヘウォン(チ・ソンウォン)は、トラブル続きの都会生活から逃れるように、子どもの頃に暮らした思い出の島にやってくる。
そこは、たった9人の住民が暮らす絶海の孤島であった。
彼女を出迎えたのは、生まれてから一度も島を離れたことがない幼なじみのキム・ボンナム(ソ・ヨンヒ)。
人なつっこい笑顔でヘウォンの帰郷を喜ぶボンナムだったが、その表情の陰には、地獄のような苦しみに耐えてきた日々があった。
昼は村の老人たちに奴隷のようにこき使われ、夜は男たちの慰み者になり、夫からの暴力も日常茶飯事。
ボンナムは、ヘウォンに「ソウルへ連れていって」と懇願するが、面倒事を避けようと島を訪れたへウォンにとって、それは単なるわがままでしかなかった。
そんなある日、ついに取り返しのつかない悲劇がボンナムを襲う。
その瞬間、美しい島を地獄絵図に変える悲劇の幕が開いた・・・・。
キム・キドク監督の助監督チャン・チョルスの衝撃の監督デビュー作。

前半部分は、会社内でもプライベートでもトラブル続きだった都会のキャリアウーマンのへウォンの目線で描かれる、村の長老の叔母さまと跡取り息子を頂点に封建主義的な上下の主従関係で女たちは暴力により虐げられこき使われ性奴隷として男たちに従うしかない暴力が支配する田舎の闇を描く田舎ホラーサスペンス、都会に逃げたへウォンと都会に憧れながら逃げられないボンナムの訳ありな過去を抱えたふたりのロマンシスを絡めた愛憎関係。
後半のある悲劇がトリガーになる、ためにためたボンナムの怒りが叔母さまたちや男たちに爆発する殺戮劇は、鎌で切り刻み金槌でブン殴り、骨が砕ける指などが切り刻まれるなど生々しい音が聞こえるようなグログロな惨劇スプラッタ復讐劇は、ボンナムを演じたソ・ヨンヒの鬼気迫る熱演も含めてボンナムの怒りと悲しみが伝わる凄まじいスプラッタホラーは、へウォンの心と同じように観るものに爪痕を残す衝撃的な監督ホラーサスペンス映画。
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