矢吹

マンマ・ローマの矢吹のレビュー・感想・評価

マンマ・ローマ(1962年製作の映画)
4.1
火のないところに煙は立たない
マンマローマ!まって!

母と息子のすれ違い。悲しすぎる話だ。
救いはどこにあるのだろうね。
いい経験になったと思え。そうだろうか。
人はいつか死ぬけれど、彼は、そんな理屈でなんとかなるようなものだったろうか。
どんな気持ちで生き絶えたか、最後はなんだったか。
どれだけうまいもん並べても、お口直しにゲロ食ったら終わりだろ。
そう考えれば、いつか死ぬんだから、は、本当に大切にしないといけない理論なのだよ。

独り言、自問自答の長回し、
すげえ綺麗な背景と、さよならとおかえりの2度繰り返される対比。
どちらもマイナスな話題だけど、希望と絶望の違いがよく見える。
吐露、諦念、懺悔仕様のない話。

最初からやり直せって、簡単に言うな。
最初から、やらかしてるんだよ。
どこで間違ったんだろうなあ。
まともに働けないけど、息子のために死ぬほど頑張って、それでも、なんで。
音楽が綺麗すぎて、嫌になるね。

イタリア語ってかっけえよな。

息子の気持ちも端々わかるし、あの頃の感覚、葛藤と
母親側の悪い笑いも企みも面白い。その心配や心境もやはり理解はできる、あるとは思ってたやつ。
なんとしても子供のために、生きるために。
うまくいかねえなあ。
1,000リラ。もういらねえのか、親離れなのか。これは背伸びなのか。
悲しすぎるやはり、ラストの息子の姿。
神父に何ができんだよ。
できることとできないことがあります。というか、できる人とできない人がいます。受けての問題ももちろん含めて。

ダンテ、『神曲』
矢吹

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