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明日、君がいないのaikidoのレビュー・感想・評価

明日、君がいない(2006年製作の映画)
3.0
最初に結末を見せ、その出来事に至るまでを登場人物のインタビューを交えながら描写し、誰が当事者かを明かしていく構成が面白く、斬新な見せ方だと思いました。

誰があの決断をしたのか推理しながら観ていたので、あの結末にはかなり驚かされましたが、予想外の結末と予想と違う人物があのような決断をした事で、誰しもそうなる可能性を秘めているという事や、どんなに親しくても他人を完全に理解する事は出来ないし、その人の考えている事は分からないという事を表現していて、観た後に余韻や無力感を感じる位、作品の世界に引き込まれ、考えさせられたのでかなりメッセージ性の強い映画だと感じました。
また、登場人物全員があの決断をする可能性があるように描写されていることも上手いなと思いましたし、ミステリーがこの映画の本質ではなく、あの結末こそ監督の伝えたいテーマだと思うと凄い映画だなと感じました。

人間は自分と異なったり少数派を差別したり排除しようとしたりしますが、学校はそれが顕著にあらわれる場所だと思いますが、この映画ではそれがよく表現されているなとも感じました。
自分が少数派になってしまうといじめられたり孤立したり学校で浮いた存在になってしまうので、学校は少数派に対しては厳しく過ごしづらい環境だなと改めて感じました。

テーマ性やメッセージ性の強さ、構成の上手さは素晴らしいと思いますが、あまりにも衝撃的で重い内容の映画なので二回は観たくない映画でした。
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