イチロヲ

拷問貴婦人のイチロヲのレビュー・感想・評価

拷問貴婦人(1987年製作の映画)
4.5
拷問業務に携わっている秘密組織のメンバーが、金づるとなるターゲットを執拗に付け狙っていく。富裕層に対する拷問劇をコミカルかつアナーキーに描いている、日活ロマンポルノ。六月劇場製作。1987年にして、台詞に「ソープランド」が登場する。

拷問屋のメンバーは、冷静沈着な美人社長(麻野桂子)、明朗闊達なギャル専務(木築沙絵子)、性技に長けた青年(坂西良太)、元憲兵の爺(津崎公平)という布陣。ピンク映画の大ベテラン、津崎公平が戦時中の怨恨を引きずる好色爺を熱演している。

組織の拷問行為は、不義を働いている上流階級をターゲットにして決行。痛さをともなうグロ行為は冒頭のみであり、基本的にはデタラメな拷問に終始一貫。緊縛した女性をウナギのたらいに漬けたり、オーガズムで自白させる特殊装置を用いたりする。

4人組のキチガイ演技が絶妙なアンサンブルを作っており、得も言われぬほどの多幸感を得ることができる。グラマラスな麻野桂子とトランジスタな木築沙絵子のグラデーションが風光明媚。
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