ローズまりぃ

ウイラードのローズまりぃのネタバレレビュー・内容・結末

ウイラード(1971年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

365本目。
ネズミなのにこれも可愛いかった。なのにウイラードはいいように使って用済みになったらネズミ達を殺すって…まぁ確かに増えすぎたけどなんて胸糞悪い作品なんだ…最後喰われるのは良くやったって感じだけど。



鉄工所の営業部勤務の青年ウイラード・スタイルズは今日もヘマをして社長のマーティンにイヤミを言われバスで帰宅する。彼はその会社の創立者の息子だが父親は死に会社は現社長のマーティンに乗っ取られ父の遺産の邸宅で病弱な老母と暮らしているがメイドを雇う金すら無く庭は荒れ放題。家では母親と親戚たちが集まっていて彼の27歳の誕生日を祝うが彼を子供扱いする一方で期待と失望を露わにし「男子たるものこうあるべき!」「マーティンに取り入って副社長にしてもらえ!」と急かす。中でも伯母のシャルロットは異常な世話焼きで誕生日には大きなケーキを母親に頼られればせっせとやって来てプリンを作りウイラードにも必死に取り入ろうとしている。しかし当のウイラードは遅刻や作業の遅れも多いため味方する者は誰一人いなかった。また家では何かと言えば母親がヒステリックに呼び鈴を鳴らし彼を2階の寝室に呼びつけてはテレビが点かない、水漏れを直せ、屋根を修理しろと言いつけまたある時は「あなたを宝だと思ってるの」と涙ぐむ。彼女は足腰が不自由で昇降機でしか2階に上がれず一旦上がれば窓から顔を出し庭掃除をしている彼に「ネズミがいるの!棒で叩き殺して!」と怒鳴る。ウイラードはそんな母親にいつも生返事で答え裏庭の涸れた噴水で一人唇を噛みしめるがその時1匹のネズミを見つけパンくずを投げてやる。ネズミは次に会った時には子ネズミを連れていて結局裏庭の噴水の周囲で密かに飼う事に。けれど母親は異常なネズミ嫌いで何かと言えば怯えて殺せと騒ぐため彼は一度はネズミたちを噴水の台に取り残して水を張り殺そうとするができなかった。また会社では彼の仕事の遅れを気にしたマーティンが彼の補佐役として女性社員を雇う。ブロンドでキュートなジョアンはマーティンに同情的で同じ頃家では母親が「面倒見が良くてお前の仕事が手伝える嫁を貰いなさい」と言い出す。一方で彼にとってネズミが唯一の癒しとなり気に入ったネズミにクイニーと名付け餌を使って言葉を教えたりソクラテスと名付けた白ネズミは家に持ち込み母親に見つかりそうになったりする。やがてウイラードは家の物置で堂々ネズミを飼い始めダンボールで仔を生ませて数を増やし日がな一日遊びながら言葉や集団行動を教え込んでいく。そこにある日1匹の大きなドブネズミが現れ器用にベルを鳴らしているのを見てベンと名付ける。
ある日の勤務中社長室でマーティンがグラマーな秘書のアリスといちゃついているのを目撃。マーティンはウイラードを呼びつけて言い訳するが彼は「父が死んでから一度も昇級が無い。残業もしてるし週末も働いてるのに!」と言い昇給を要求する。しかしマーティンは「俺を脅す気か?!」逆ギレし「残業が多いのは仕事が遅いせいだ!」「金が無いなら家を売れ!お前には大きすぎる!俺が買ってやる!」と迫り挙句に終わったはずの仕事にいちゃもんをつけオフィスに向かって大声で「お前は能無しだ!親父の面倒を見てやったのに今度はお前の番か!」と言い捨てた。その夜マーティンの豪邸では大勢のゲストを呼んだ盛大なパーティが開かれていたがウイラードは数十匹のネズミをカバンに入れて会場に忍び込み「餌だぞ!」と命令して放った。会場は瞬く間にパニックになりうち数匹はマーティンや使用人に殺されるがソクラテスとベンを含めた数匹は無事戻りウイラードは「ハッピーアニバーサリー!」とほくそ笑んで去って行った。翌日マーティンは笑い者となるが素知らぬふりで出社していたウイラードには母親の具合が悪いと電話があり早退させられる。しかし家には母親はおらず代わりにシャルロットから「ママの容体が悪化して会社に電話したけどいないと言われた。ママは私にあなたを頼むと言い残して息を引き取った。遺体はファレイさんが持ってった」と言われる。ウイラードは愕然として葬式の手筈をまくし立てるシャルロットを追い出しソクラテスを連れて母親の部屋に行き悲しみに暮れるがすぐに「葬式を出さなきゃ」と言い出掛けていく。葬儀の際ウイラードは弁護士から「母親が年金暮らしで借金があり遺産は家と保険金の1,500ドルだけだ」と聞かされ「家を売って借金を返せば小さな家くらいなら買える」と言われる。また葬儀の後親戚と弁護士マーティンまでもが食料を抱えて家に上がり込み勝手にサンドイッチの準備をし楽しげにガツガツと食べ始める。みな口々にお悔みを言うが中でもマーティンは「金に困ったらいつでも言ってくれ」と言う一方で彼が大切にしていたアンティークの柱時計を羨み「いっぺん分解してみたいと思ってた」と笑った。
ウイラードは数日間の忌引き休暇の間にネズミを物置から家の地下室へと移しソクラテスだけを寝室で飼うようになる。けれどベンだけはかまわず寝室に入るためやむなく部屋で飼う事に。またある日勝手に家に入り世話を焼こうとするシャルロットから合い鍵を取り上げ「二度と来るな!」と怒鳴って追い返す。彼は中古車を買って通勤するようになりオフィスにベンとソクラテスを連れて行って資料室に隠し残業中にオフィスで遊ばせるようになる。一方ジョアンともいい雰囲気にはなるがネズミの件は言わず「車を買ったから送っていきたいが残業がある」とごまかして帰す。しかし一旦帰ったジョアンは彼へのプレゼントとして猫を連れて戻り彼の家に行きたいと言われる。彼はやむなく彼女と猫を乗せて家に向かうが猫はずっとカバンにいるネズミが気になり引っ掻いていた。また家の玄関扉には税金未払いの差し押さえ通告書が貼ってあり結局彼女を上げずに彼女の家まで送る事に。未払いの額は2500ドル、とても払える額ではない。またやむなく引き取った猫は通りがかりの男性に預け置き去りにする。一方地下室ではネズミが増え続けまかなう餌代にも頭を抱えることに。ウイラードはやむなくシャルロットやファレイの元を訪ね借金を申し込むが家を売るよう言われ断られる。翌日会社に大口の取引相手スペンサー氏が来て旅行のための現金4,000ドルを用意させたのを知った彼は夜になってネズミを連れてスペンサー氏の邸宅に忍び込み夫妻の寝室のドアを齧らせる。音に気づいた夫人はスペンサー氏を起こしてドアを開けさせるがドアを齧っていたネズミの群れに驚いた夫妻はパジャマで逃げ出しウイラードはまんまと現金を手にする。一方でマーティンはウイラードの家を手に入れようと画策し居留守を使ってもかまわず勝手口まで侵入しこの家を潰してアパートにしようとほくそ笑んでいた。
ウイラードは奪った現金で一息つくが寝室に連れて行くのはお気に入りのソクラテスだけで勝手に入って来るベンにイラついて叱るようになる。しかしベンは賢く隙を見ては寝室に戻り彼を弄った棒を齧って折りウイラードのカバンに先回りしてオフィスに連れていけとねだる。その日会社ではジョアンがマーティンに呼び出され「ウイラードと親しいようだが家を売るよう説得してくれないか?」と言われて断りウイラードと共に解雇通知を渡される。また就業中オフィスの資料室に放してあったベンとソクラテスがアリスに見つかって騒ぎとなりソクラテスだけがマーティンに棒で突き殺される。みなが一息つく中ウイラードは1人洗面所で泣くがそこにマーティンがやって来て「ネズミ狩りなんて初めてだ!どうした坊や?(ネズミ退治を見て)気分が悪くなったのか?さっさと仕事に戻れ!」と大笑いして出て行く。終業後ウイラードは資料室にいたベンに「どうする事も出来なかった僕のせいじゃない」と言い訳しカバンに入れと命じベンは彼を責めるような眼で見つめてからカバンに戻る。帰宅したウイラードは母の写真に向かって「どうして借金なんかしたんだ!今日母さんが友人だと言っていたマーティンにクビになった!ソクラテスも殺された!父さんと同じように!」と怒鳴って叩き割り「今度は僕が命令する番だ!」と言いマーティンが一人残っているオフィスに家中のネズミを連れて戻る。それは彼の車の後部座席やトランクを埋め尽くすほどの数のネズミでオフィスに着いた彼は鳴き真似でそれを従え社長室に向かう。異変に気づいたマーティンが扉を開けるとそこには無数のネズミとウイラードがいて彼は「僕のネズミだ。話がある」と指を鳴らして社長室に入るよう命令し「僕の言う事はなんでも聞く」と言う。マーティンはパーティでのネズミ騒動が彼の仕業と気づくがウイラードは「動くな!まだまだいるんだぞ」とニヤつき居丈高に「座れ!」と命じる。そして「まずあんたは父さんの会社を乗っ取った。それが元で母さんは死んだ。そして今度は僕から全てを奪おうとしている!いつも僕につきまといみんなの前で恥をかかせた!そして家まで取り上げようとしてる!」と怒鳴る。そしてまあまあと口を挟む彼を怒鳴りつけ「クビにして厄介払いをする気だろ!散々苦しめて僕のプライドを傷つけた!…だが今はもう違う。僕の友だちを殺したな!ソクラテスを突き殺した!」と怒鳴ってマーティンがネズミ殺しに使った血まみれの棒で責めたてる。マーティンはわけが分らず立ち上がって狼狽えウイラードは「僕のかけがえのない友だちだ!」と言って殴りかかるがすぐに棒を奪われ反撃される。その時マーティンの腕に1匹のネズミが飛び掛かりかじられて出血したのを合図にウイラードは「かみ殺せ!」と命令する。ネズミは一斉にマーティンに襲い掛かり彼は悲鳴を上げてひとしきり社長室の中で暴れ回るがやがて体中をネズミに覆われたまま窓から飛び出し転落死する。ウイラードはその死に様を恐る恐る確認し部屋の隅からじっと見つめていたベンに「さよならベン」と言い扉を閉めて帰宅する。帰宅したウイラードは自宅に残っていたネズミを全て飼育箱に入れ噴水の池に沈めて殺し庭の穴に埋めてしまう。
翌日会社はマーティンの事件で休業となるがウイラードは疑われもせず「家に帰りたくない」と言うジョアンを彼の家に誘う。2人はウイラードの家で食事とワインを楽しみ彼は「僕の人生は変わったんだ。親友のソクラテスと君のおかげだ」と微笑み「猫は?」と聞かれても「恋人を探しに行った」ととぼける。そして自信満々で「職業斡旋所に行ってやり直す。もう何も怖くないんだ」と言うが視界の端にベンを見つけて凍りつき彼女を残して地下室を見に行く。そこにはベンが従えたネズミの大群が戻っていた。彼は慌ててジョアンを追い出しキッチンにいたベンに命令しようと指を突きつけるがかじられ「餌をやるから言う事を聞け!」と命じて準備を始める。ウイラードは物置にあった殺鼠剤を餌に混ぜベンの前で取り分けるがベンは殺鼠剤に気づいて仲間を呼ぶ鳴き声を上げ始める。彼はベンをホウキで追いまわし2階の物置に追いつめるがベンが逃げ回るうちに地下室にいたネズミの群れが扉を食い破り物置へと押し寄せる。気づいた彼は慌てて扉を閉めるがネズミの大群は瞬く間に物置に侵入し追い詰められたウイラードは「友だちだったじゃないか!ベン!」と叫んで窓を割ったところでネズミに襲われ食い殺される。ベンは彼の末期を棚の上からじっと見つめていた。
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