starfish45

TOKYO!のstarfish45のレビュー・感想・評価

TOKYO!(2008年製作の映画)
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アメリカ・フランス・韓国
3カ国それぞれのアイデンティティを持つ監督から紡がれる「東京」
ファンタジーというには猥雑で、
シュールというには汗と埃が匂ってくるような土着感もあり、不思議な世界観だった。

三者三様、毛色は全て異なるが「アウトサイダー」が通奏低音となっているのが、とても興味深い。
事前に示し合わされたテーマなのかもしれないし、外国人が東京を撮る時点で、ある程度自明なのかもしれないが。

①監督:ミシェル・ゴンドリー
ゴンドリー節が炸裂。個人的には安部公房を感じた。同郷の彼氏・友人に置いていかれる上京したての女の子の焦りが、ザワザワ伝わってくる。
椅子の入浴はちょっとカワイイ。

②監督:レオス・カラックス
飛び抜けてとち狂ってる。けれど、本質的には最も現実に起こりそうで背筋が冷える。メルドはいつでもどこにでも出現する。ショッキングなシーンもあり苦手な人は多そう。

③監督:ポン・ジュノ
10年間引きこもりの男が、走る。
思わぬ誰かが自分の完成された世界を肯定してくれる。その上で、ほころびを指摘してくれる時、外に出られるのかもしれない。同時に、きっかけなんて、女子の絶対領域なのかもとも思った。
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