ブタブタ

グリーン・ランタンのブタブタのレビュー・感想・評価

グリーン・ランタン(2011年製作の映画)
2.0
~『バットマンvsスーパーマン』世界的大酷評大不評記念レビュー~

期待度ダダ下がり具合ではジョシュ・トランク版『ファンスティック・フォー』を下回ってしまったとまで聞く『BvS』ですが、ファンの期待を裏切り大コケした作品としてはこの『グリーンランタン』も負けてません。(BvSはまだ最終結果?は出てませんが…)

本作の感想は正直とてもつまらなかったです。
グリーンランタンは強過ぎて後々他のヒーローと絡ませるのが難しいですし初期のDCヒーローなのでそもそも他のヒーローとの共演を考えていなかったのでは?
二度と映像化はないと思っていたのですが何とリブートの企画が進んでいる様で驚きました。

グリーンランタンはグリーンランタン・コアと言う銀河警察機構に属し3600人存在しその内地球人は6人、宇宙の平和を守っていると言う要するにウルトラマンですね(出来たのはグリーンランタンの方がずっと先です)
グリーンランタン以外にもレッド・ブルー・オレンジ・インディゴ等他の色の様々な特色を待つランタン達、死者で構成されるブラックランタンや悪役のイエローランタン、他のランタンを取り締まる役目のサイボーグで構成される憲兵隊の様なアルファランタン、キャラクターは膨大で壮大なスケールの世界観は魅力的ですが如何せん1本の映画で描くのは到底不可能で当然シリーズ化を考えていたのでしょうが1本で終わってしまったのは残念です。

グリーンランタンに関してはもう1人、非常に重要な存在であり『グリーンランタン/グリーンアロー』と言う傑作コミックもあるヒーロー「グリーンアロー」の事をちょっと語りたいと思います。

TVシリーズ化された『ARROW』は若き大富豪でプレイボーイと言うグリーンアロー初期の設定をドラマ化した物ですが、バットマンとキャラクター設定が被っており途中で大幅にキャラが変更され破産して大富豪から一文なしに、イケメンのプレイボーイから中年~壮年の髭面の偏屈な皮肉屋に変わりグリーンアローの真の魅力が発揮されたのはこの偏屈なおっさんになってしまった以降からだと思います。

仮装パーティにロビン・フッドの格好で出席し、その場で暴漢を撃退した事からそのままヴィジランテ(自警団)活動を始める。
超人ではなくロビン・フッドのコスプレした只の人間、武器は弓矢だけのグリーンアローと宇宙を股に掛け変身・巨大化も出来る本物の超人であるグリーンランタンの余りにアンバランスなコンビ。
例えば単純に言うと「空腹からパンを盗んだ子供」が居れば単純に「泥棒・罪を犯した者」としてしか扱う事が出来ないグリーンランタンと「空腹の子供を生み出す国家が悪い、現実を見ろ」と言うグリーンアロー。
グリーンアローはグリーンランタンからしたら殆どヒーローとしての力を待たない小さな存在であり、その癖口だけは達者でグリーンランタンの行動にいちいちケチを付け自分こそが世界を救うヒーローだと妙に自信に溢れている、ある種の狂人であり「ドン・キホーテ」の様なキャラクターでグリーンランタンの事も自分の従者=「サンチョ・パンサ」の様に思っているきらいがあり、この2人の関係はまるで巨大な力を持った「王」とそれに纒わり付く「道化」

シェークスピアの『リア王』に於けるリア王と道化、それを原作にした黒澤明監督『乱』の景虎と狂阿弥、そして更にその影響を受けたジョージ・ルーカス監督『SWエピソード1』のアナキン(ベイダー)とジャージャー・ビンクス。
グリーンランタンとグリーンアローを「王と道化」の物語としてルーカスがSWエピソード1で失敗したSF版リア王(シェークスピア悲(喜)劇)として描けばかなり面白い物になるのではと勝手に思っています。

後年になるとグリーンアローは益々誇大妄想狂の老人と化しており、このグリーンアローを狂言回しとして『ほら吹き男爵の冒険』の様に『グリーンランタン』を描くとしたら、宇宙冒険物語も実は全ては老人の妄想と言うメタフィクション・ヒーロー映画、そうなると監督はテリー・ギリアム(『バロン』の監督で『ウォッチメン』映画化が頓挫)がいいのですが(笑)
また「誇大妄想狂の老人」として思い浮かんだのが『エル・トポ』『ホーリーマウンテン』そして未完成に終わった超大作『ホドロフスキーのDUNE』で知られるアレハンドロ・ホドロフスキー監督です。
ホドロフスキー監督で『グリーンランタン』そしてグリーンアローを演じるのもホドロフスキー自信だったら物凄い映画が出来上がると思うのですが、これこそ妄想です(笑)
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