ブタブタ

インフィニティ・プールのブタブタのレビュー・感想・評価

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)
5.0
『アンチヴァイラル』はイマイチで『ポゼッサー』で之はキタと思い『インフィニティ・プール』でブランドン監督は信用出来ると確信。
父デヴィッド・クローネンバーグが同じグログロネッチョンネッチョンな世界を描いていても何処か乾いてスタイリッシュだとすれば息子ブランドンの方は本当に中身迄ひたすらグログロネッチョンネッチョン。
入口とパッケージは同じでも中身は全然違うみたいな。
これは東映異常性愛路線て書いてる方がいて思わずフォローしたけど全てが腑に落ちる。
何か見た事ある世界観だと思ったのは70年代東映のエクスプローションエログロ映画、異常性愛路線とブランドン監督の資質は共通してるみたいな。
やり過ぎてアヴァンギャルドの域に達してる『ポルノ時代劇 忘八武士道精神』や『徳川 牛裂きの刑』やらあの辺のもうどうかしてるエロとグロでサイケデリックな美術とドラックアシッドムーヴィー。
この辺りの東映エログロ映画ファンを公言してるタランティーノが単にゴケミドロの真っ赤っかの空と旅客機をキル・ビルでオマージュした、単に絵面だけ真似っ子して悦に浸ってる(タランティーノはイスラエルの虐殺支持なので自分の中では終わりました)のとは天地の差、ブランドン監督はその根幹の部分で意識してかせずか(多分してないと思う)70年代東映エログロ映画の世界を現代にアップデートして蘇らせてしまった。
もう父クローンバーグと共にこのまま更にどうかしてる映画を撮って欲しい。
『吸血鬼ゴケミドロ』に匹敵するSFホラーエログロ映画を撮って欲しい。
⚠︎ネタバレ注意⚠︎
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でもねー不満はある。
最後の犬化したクローン・ジェームズのくだりだけど男だけじゃつまんないなー(笑)
あそこはジェームズとエムの夫婦のクローン出して首輪つけた犬化夫婦をそこで交尾させて絶頂に達した時にジェームズに殺させたりするとか。
あとエムを途中で帰しちゃったのもどうかと。
あの後半の変態プレイのくだりは夫婦で参加させるべき。
車で煽りながらマラソンさせてジェームズの小説酷評朗読ってあのプレイが最高。
ミア・ゴスの眉無し顔はいい。
ラストでジェームズは一人あそこに残ってて矢張りこの体験を小説に書くだろうし、そう思うと本作も所謂『作家映画』なのか。
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