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砂の女のmikoyan358のレビュー・感想・評価

砂の女(1964年製作の映画)
4.0
原作を読んで映画も観てみたくなり、限られた店にしかないVHSを入手して鑑賞。蟻地獄のような状況に陥った主人公の生への執着が徐々に諦観に変わり...という原作でも背筋がひんやりとした不条理かつ生々しい描写が本当にイメージ通りに再現され、さらにあえて多くを見せない観念的なエロティシズム(岸田今日子がこんなに官能的に見えたことはいまだかつてないw)など映像ならではの立体感も加わり、原作の秀逸さを全く損なわずにきっちりと映像化に成功した稀有な例に感じられた。こうやって映像で見せられるとリアリティが半端なく上がり、今の自分の生活すらこの砂のような儚いものでは?と問いかけられた気がしてさらに気が滅入る(笑)。
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