青山

雨に唄えばの青山のレビュー・感想・評価

雨に唄えば(1952年製作の映画)
3.8

ついに観ました。

制作は1952年ですが、舞台はそれより遡ること数十年の1920年代、映画がサイレントからトーキー主流に変わる過渡期。

サイレント映画の大スター、ドンとリナ。彼らも時代の流れに乗ってトーキー映画を作ることになるも、リナの"悪声"がネックになってしまう。
ドンは、想い人のキャシーに、リナの声の代役を務めるよう頼む......というお話。


これまでなんとなーくのイメージで頭空っぽなハイテンションミュージカルコメディだと思ってたんだけど、意外とシニカルな笑いも多かったり。

なんせ、設定が上手いですからね。
時代に取り残されたスターの姿は哀愁漂いながらもコミカル。しかし負けじと工夫を凝らして映画を作っていく姿はただカッコいい。
恋愛だけでなく、友情、努力、勝利といった胸熱要素が詰まってて面白かったです。

そして、もちろんミュージカル部分も良かった!
そもそも華やかな映画界が舞台だし、作中劇とかも多いので、急に踊り出しても違和感ないです。
曲とダンスもそれぞれ素晴らしく印象的でした。あまりに有名な表題曲(半分は時計仕掛けのアレックス氏のせいだが)はもちろん、主人公の親友の3枚目キャラがドタバタと道化を演じつつも案外深いことを歌うシークエンスが最高に良かった。脇役のくせにめちゃくちゃ長尺の見せ場シーンだけど、本作の中でも1番引き込まれたかもってくらい。

あと、ジャケ写でイメージの強い黄色いレインコートの色艶が最っ高。昔の映画の映像の質感めちゃくちゃ良いですよね。好き。
青山

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