【第25回アカデミー賞 作品賞他全3部門ノミネート】
小説『アイヴァンホー』の映画化作品で、エリザベス・テイラーとジョーン・フォンテインの2大女優の共演が見もの。監督は『ターザン』シリーズや『監獄ロック』などのリチャード・ソープ。
うーん、物語自体に何か特筆すべきことはないかな。王道の中世騎士道ものといった感じ。ただ、『最後の決闘裁判』を思わせる終盤はなかなか予想外の結末や描写がありよかったかな。ノルマン人とサクソン人の対立を描き、基本的にサクソン人の側に立ってはいるものの、最後にノルマン人のある騎士の死に際にぐっとくるものがあった。少なくともあのノルマン人騎士を単純な悪役にはしていない。
また二人の女性に惚れられるアイヴァンホーなのだが、どう落とし前をつけるのかと思ったらなるほどそうきたかと。『眠れる森の美女』の王子が「外の世界」を象徴する存在だったように本作でもエリザベス・テイラーが口にする言葉はなるほどと思わされた。
とはいえまあたぶん忠実に映画化しただけで演出もオーソドックスで垢抜けない。そこまで大作という感じでもなく、戦いシーンもイマイチ盛り上がりに欠ける。
見る価値があるとすればエリザベス・テイラーとジョーン・フォンテインの美貌かな。