【第89回アカデミー賞 外国語映画賞ノミネート】
ヴェネツィア映画祭国際批評家週間に出品、アカデミー賞にもノミネートされたオーストラリア・バヌアツ合作映画。日本ではSKIPシティ国際Dシネマ映画祭で上映されたが公開されなかった。
南太平洋のタンナ島を舞台にした実話もの。『ロミオとジュリエット』のように対立する部族の男女の悲恋を描いている。
てっきりタンナっていう名前の人が出てくるのかと思っていたら違った。ロケーションを武器にした美しい撮影は素晴らしいが、まんま『ロミオとジュリエット』すぎて物語の深みは感じなかった。
アカデミー外国語映画賞にノミネートされたのに日本公開がされていない映画って最近では珍しい。『僕はキャプテン』がそうなりそうだが…そのため英語字幕で観た。
なるほど確かに日本の観客にアプローチするのはちょっと難しいかもと思う内容だった。火山や森を舞台にした撮影は感じ入るものがあったが、物語としては単純な悲恋ものなので引っかかりがない。
演出としてもオーソドックスでよく出来てはいるが特段変わったことはしていない。良くも悪くも舞台が特殊な悲恋物語という枠に収まってしまう。悪くはないがもう少し捻りが欲しかった。