電気羊

女帝 エンペラーの電気羊のレビュー・感想・評価

女帝 エンペラー(2006年製作の映画)
3.3
唐滅亡後の中国。群雄割拠する中、ようやく一つの国が成る。そこでは皇帝が国を治め皇太子とその恋人の美女もその元で暮らしていた。だが、皇帝は美女の美しさに皇太子から奪い取り自分の后とし皇后とする。皇太子は絶望し、地方に引きこもり武芸に明け暮れていた。
そんなある日、皇帝の弟の謀反により皇帝が暗殺される。新皇帝となった叔父は、皇后を愛し引き続き皇后とする。現皇帝は、先皇帝の血筋を絶やすべく、皇太子の元へ暗殺団を派遣するが、皇太子は逃亡に成功。都に戻り元の恋人皇后と再会する。ここから複雑な恋愛の五角関係が始まる。相思相愛の①皇太子と②皇后、皇后を愛する③現皇帝、皇太子に片想いしている大臣の④娘、⑤皇太子に片想いしている大臣の息子で皇太子に片想いする妹を愛する軍の将軍である兄。
皇太子が邪魔な現皇帝は辺境の国の人質として皇太子を送り込むという体で旅の途中で暗殺しようとする。だが、皇后から送り込まれた大臣の息子である将軍に一命を救われ身を隠す。
愛は深まるほど怨讐となり、②皇后は③皇帝に毒の入った盃を渡し毒殺しようとするが、③皇帝は宴の席で演舞を振る舞う大臣の④娘に「あっぱれ」と盃を与え、大臣の④娘は演舞中に喀血して死亡。演舞の一員に身を隠していた①皇太子は、自分に思いを寄せていた④娘の死を目の当たりにし、思わず自ら正体を現してしまう。①皇太子は父の仇である③現皇帝に勝負を挑むが、③現皇帝は愛する②皇后が自分を毒殺しようとしていた事実に心砕かれ、自ら残った毒入りの盃をあおり死んでしまう。その場で皇后が女皇帝に即位したと詔があげられることに。だが④妹を失った⑤兄は、遠因であるとはいえ愛する④妹を毒殺した②皇后が許せず毒を塗った短剣で襲い掛かる。その瞬間、①皇太子は2皇后を救うため短剣を受け止め代わりに死亡する。⑤兄は謀反者としてその場で処刑。結局、恋愛関係のもつれは死によって解決されたかのように思われたが、ラストシーン、何もかが投げた短剣が女皇帝の胸を刺し貫き全員が死へと誘われたのだった。アンハッピーエンド。
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