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裏窓のtomひでのレビュー・感想・評価

裏窓(1954年製作の映画)
4.0
NHKBS4Kで『裏窓』が放送されたので、4Kで久しぶりに観直してみた『裏窓』を観るのは4回目。久しぶりに観直してもヒッチコックの演出は楽しいし、巧い。 主人公の足を骨折させて動けなくし、その部屋だけで一本の映画を展開させてしまう演出力、映画力。冷静に見ると色んな「そんな訳ないよね?」が入っているのだが、それを映画の嘘として巧く処理していくヒッチコックの演出が楽しい。

映画後半のグレースケリーが勝手に行動し始め、上階と下階で犯人と一画面になる画作りとかホント巧い。階段を上ってくる犯人の足音と部屋で待つジェームズ・スチュワートを俯瞰目で捉えたカットの緊張感、不気味さ。ゆっくりゆっくり車椅子を回転させるカットとか映画的怖さを煽るのにめちゃくちゃ効いている。ヒッチコック観てる感が堪らない(笑)

部屋から隣人の生活を覗き見るという変態的な行動も、ジェームズ・スチュワートとグレースケリーの滲み出る品格がそれらを綺麗に覆い隠していてとても良いキャスティングだと思える。ジェームススチュワートを説教する看護師役のセルマリッターも良かった。名作。
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