Kumonohate

悪名一代のKumonohateのレビュー・感想・評価

悪名一代(1967年製作の映画)
3.8
シリーズ第13作。朝吉・清次、遂に人を刺す!

初登板の安田公義監督の好みなんだろうか、これまでの作風とは打って変わったド・シリアス。しかも、シルクハットの親分が2代目(長門勇)になっている。初代の永田靖が出演できなかったことによる措置なのかどうかは知らんが、そもそもこの一家は、襲名するのにシルクハットを受け継がなきゃならんのだろうか。また、初代のシマが四国だったのに、二代目は山陰ってのもよくわからない。そうした中にあって、森光子のコメデイエンヌぶりがピカイチで、そのお陰で本作は、ギリギリこれまでの路線に踏みとどまっている。

「監督、朝吉と清次はパンチとキックだけでコロシはやらんのです」「え、そうなの? でもホン出来ちゃったから今回だけってことで」「監督、役者さんが違うってのはマズイっす」「そう?じゃあ二代目ってことで」「監督、シマは四国なんすけど」「そうだったの? でもロケ地決めちゃったから山陰ってことで」「監督、このシリーズ、もうちょっと喜劇なんですけど」「もう遅いよ。森光子さん出すから勘弁してよ」

みたいな、シリーズ初登板監督にありがちな、コンセプト&設定の引き継ぎがアバウトだったに違いない。
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