かずぽん

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国のかずぽんのレビュー・感想・評価

3.1
監督:スティーヴン・スピルバーグ(2008年・米・122分)
原案:ジョージ・ルーカス
原題:Indiana Jones and the Kingdom of Crystal Skull


前作『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦(1989)』に続くシリーズ第4作目。実に19年ぶりの公開だった。
物語の舞台は1957年に設定され(前作は1938年)、その間に第二次世界大戦を経験し、しかもその戦争中、インディはCIAの前身である戦略諜報局で働いていたことになっている。その時に共にナチスと戦ったマック(レイ・ウィンストン)は元M16の局員。インディを裏切る存在としての設定なのだろうが、インディまでスパイ活動していたという経歴は必要なかったような気がした。
細かいことは置いておいて、今作でのミッションは「クリスタル・スカル」を探し出すこと。その鍵を握っているのはインディの友人で、共にアブナー・レイヴンウッド教授(1作目のマリオンの父)に考古学を学んだ仲のオックス(ジョン・ハート)である。そのオックスは3年前に消息を絶っていたが、南米で再会した際には精神を病んでいた。
どうも「クリスタル・スカル」には不思議な力があり、それを見つめると脳の使用されていない部分が覚醒してしまうらしいのだ。

シリーズ未見でも(この手の作品が好きな人には)十分楽しめると思うが、過去作との関連やオマージュに溢れているので、1作目からのファンにとっては見どころが満載だと思う。
中でも1作目のマリオン(カレン・アレン)とその息子マット(シャイア・ラブーフ)の登場は、一番のサプライズ。
本作は観客もインディと一緒に冒険したり驚いたり窮地に陥ったりする方が断然楽しいと思う。(なので、これ以上書くのは我慢、我慢)

クリスタル・スカルとは、水晶の髑髏(頭蓋骨)のことで、初めてそれが画面に映し出された時、私は直ぐに『エイリアン』を思い浮かべた。エイリアンの頭部から皮や肉を剥いだらまさしくこんなだろうという形状。
しかも本作では、「エリア51」「ナスカの地上絵」「マヤのピラミッド」なども出て来て、何だか思わせぶり。実際にラストで円盤が飛び立った時は「え~…!?」という気分になった。
特典映像を観て、これらはすべて創案者のジョージ・ルーカスの希望だったと判明。スピルバーグとしては『未知との遭遇』『E・T』『宇宙戦争』で遣りきった感もあったらしい。しかし、ルーカスはSFやエイリアンや空飛ぶ円盤を登場させ、古き良き時代を彷彿させる冒険活劇にしたかったようで、とにかく説得しまくった様子だった。
何はともあれ、ルーカス、スピルバーグ、H・フォード、旧作からのスタッフたちが再集結し、同窓会のノリで楽しませてくれたのは間違いない。
特典内でH・フォードが鞭の練習をしている映像があった。何度か振り回していると、どんどん勘が戻って、ビシッ!という音にも迫力が出て、枝や梁にもクルクルっと巻き付くようになった。身体が覚えているようだった。
本作撮影時のハリソン・フォード66歳。新作第5作目では80歳になっている。舞台は1969年らしい。一抹の不安もあるけれど期待も大きく、新作に向けて短期間で過去作の復習をしてきたからには、楽しみつつインディを見届けたいと思う。
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