おばけ

細雪 ささめゆきのおばけのネタバレレビュー・内容・結末

細雪 ささめゆき(1983年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

姉妹ならではの特徴がそれぞれに表れていてとても興味深かった。それが良家の4姉妹となると如実に見られる。長女は、本家であり幼い頃に母を亡くしたため、姉妹の母親代わりの立ち位置。次女は本家、分家、周りの目を大層気にする。四女は良家だからといって振り回されている姉2人に嫌気がさし、自由を求める。その間の三女がなんとも言えない性格でそれを美しく、ミステリアスに演じ切った吉永小百合は素晴らしいと思った。
掴みどころがないかのように見えて、現実的で我が強い。そして無意識に溢れ出す、蠱惑的な雰囲気……最高。そら、伯父さんも泣いちゃう笑

いつも仲介にはいる、常識人?の貞ノ助も後ろではきっちり、息抜きをしていて巧みな立ち回りに人間味を感じた。こういったシーンなども原作を読むともっと深く楽しめるのだろうな。

美しい四季の景色と豪華絢爛なお着物…広く素敵なお屋敷…しかしそれも諸行無常。この時代ではこの先、全て失われるのだろうなと思うと一層、美しく見える。

今年の春はみんなで京都の桜をみに行けないわね…という言葉が沁みる。
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