九月

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンの九月のレビュー・感想・評価

4.0
両親とともに豊かな生活を送る、高校生のフランク・W・アバグネイル。
しかしそれが急転、父親の事業が破綻、幸せに包まれていたはずの家庭は雲行きが怪しくなり始める。結局、両親は離婚することになり、家を飛び出した彼は生きていくため、小切手偽造の詐欺に手を染めることに。
彼の行いはどんどんエスカレートし、大手航空会社のパイロットや医師、弁護士にまで偽装…人々は見事に騙されてしまう。
そんな天才詐欺師と、FBI捜査官カール・ハンラティの、追いかけっこのような逮捕劇とその後。

そこまでうまくいかないだろう、と主人公を白い目で見てしまうことが多々あったけれど、これが実際にあった出来事をもとにしていると知ってびっくり。
嘘に嘘を重ねる姿に辟易しつつも、小さい頃から裕福な家で育ってきて、お金がなくなった途端に両親の関係性が綻んでいくのを目の当たりにして、あんな行動に移ってしまったのかと思うと、悲しい。
類い稀な才能をどんな方向へ発揮するか。一歩間違えれば大犯罪。フランクの素質を見抜いて、何度逃げられても追い続け手を差し伸べて、まだ若い彼に別の道を示したハンラティがすごいと思う。
九月

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