皿鉢小鉢てんりしんり

不思議の世界絵図の皿鉢小鉢てんりしんりのレビュー・感想・評価

不思議の世界絵図(1997年製作の映画)
3.1
なんというか、誰かを怒らせそうな言い方ですが、“女が好きそうな映画”なんですかね……
いわゆる串刺し脚本で、A地点からB地点へ、その合間合間の不思議エピソードを羅列、という『地獄の黙示録』スタイル(ご丁寧に牛の吊り下げシーンもある)なのですが、どのエピソードも、“こんな人に会った→終わり“という感じでそこからの広がりがない……
例えば雨漏りで家が水没するババアに会うわけだけど、家が水没することによって何かが起こるのか、なんか浮かんでくるのか、何かが流れてくるのか、その水を使ったアイデアが何かあるのか、というと何にもない。単にそういう家に行きました、で終わり。映画ってそれじゃやっぱダメなんじゃないですか……
なんとなーく、思春期少女のセクシャルな含みを持ったファンタジー、的なものをやろうとしているのは感じるけど、じゃあそれを通して何がやりたいんですか?ってところが最後までゆるふわで、見えてこない……
色んな作家性の強い映画作家の作家性を全部薄めてブレンドしたみたいな感じで、どうも気に入らない。