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パーフェクトブルーのchaxsolowのレビュー・感想・評価

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
4.0
PERFECT BLUE(1998)

大人になる過程とか、環境をかえてあたらしい何者かになるときの勢いと不安感。
だれかに見られている感覚から始まり、安心できていた環境や存在から距離が開いていくのと比例し膨らんでいく不安感。

視覚上の連続を感じさせながらザッピングされる構成と、徐々に織り込まれ次第にハッキリと示されるようになっていく虚構。

それらと同調するように展開する劇中劇のストーリーと凄惨な事件。
なにが本当で現実なのかぼやけていき、主人公の視点にかさねると自分の存在すらも信じられなくなっていく感覚。


描画の粗さや雰囲気とか今きくとまさに90年代でしかない音楽がたまらなくよくて、上にならべたような斬新な映像がハマってるのが最高にしっくりきて納得した気持ちになる。
観たあとに残された感傷や好奇心や怖さをずっと味わっていたくなる不思議な一本。

江口寿史のキャラデザインの主人公がいろいろな表情を魅せていたのも、アイドル時代の曲も、どれもがプレシャスで頭から離れない。
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