いめーじ

パーフェクトブルーのいめーじのレビュー・感想・評価

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
4.8
アイドルを辞めた未麻が女優を目指した結果、仕事に関わる人間がアレなせいでドラマのレイプシーンを撮ったりヘアヌードを撮ったりでイメージぶっ壊れまくって、それに幻滅したストーカーがワケわからん妄想を膨らませて凶行に走りまくるって話。それからも二転三転するしとても良かった。
本格的なサイコスリラーってアニメの中でも貴重だと思うし、構成も上手いし、未麻が現実と幻覚の区別がつかなくなってる時にはアニメだからこその演出もちゃんとあって超おもしろかった。
アイドルでいた時の輝きが忘れられない自分と、女優で成功したい自分と、周りが求めてる自分に振り回される未麻はめちゃくちゃ見応えあるし、これで本編が80分くらいだなんてほんと素晴らしい。
「あなた誰なの?」というセリフがいろんな面に効いていて上手い。

特に気に入っているシーンは、未麻が卒業した後のライブにストーカーが出向いてるってところですよ。推しがいないので幻覚で補って無理矢理3人のライブとして観ていた時の彼の目の輝きは忘れられそうにない。アイドルとしての未麻を、そしてグループも愛していたことがよく伝わる。

あと未麻のヘアヌードが載った雑誌を破ったり、誰の手にも渡らぬよう買い占めていたシーンも感動的。
全国の本屋やコンビニに売られ、古いけどネットも一応あって拡散は止められるわけが無い世の中なのに、彼は1つの本屋の雑誌を買い占めるなんてことをしたのだ。すごいよ…

迷惑なDQNの客に殴られながらも無言で睨み続ける姿には異質なかっこよさがあった。

メガネ外したらイケメンとか、普通にイケメンなのに趣味がオタクだから彼女ができないとかいう甘ったれたオタクキャラじゃなくガチでキモい奴を観たいなぁと思っていたので、そんな意味でも良かった。ストーカーくんの声がかなり高かったのもポイント高い。

あらゆる点で最高。