Ash国立ホラー大学院卒論執筆

パーフェクトブルーのAsh国立ホラー大学院卒論執筆のレビュー・感想・評価

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
3.8
【悪夢の中に生きる】

アイドルとして活動していた主人公が女優に転身する。女優生活は次第に軌道に乗り始めるも、ストーカーにつきまわされ…

久しぶりに唖然とした作品を観たかもしれない。『レクイエムフォードリーム』で感じたあの頭の中で何かがガンガンと響いているような虚無感がある。

今敏監督の現実と虚構が入り交じる映像表現は、高熱にうなされて幻覚と悪夢を見ている感覚に近い。(当方、40度ほどの熱が出ると幻覚と悪夢を立て続けに見る癖があります)
あの悪夢の中で生きているような気持ち悪さが、見事に表現されていて驚き。監督も同じ体質なんだろうか。

『レクイエムフォードリーム』の元ネタってのも分かる。最初は何気ないのに、少しづつ狂っていく感じとかそのまんま。

ラストのあの笑顔から音楽+エンドロールが凄く良かった。悪夢から覚めた感じ。いや、まだ悪夢の中かな