蝉丸

226の蝉丸のレビュー・感想・評価

226(1989年製作の映画)
3.7
皇道派と統制派による陸軍内部の主導権争いという観点がすっぽりと抜け落ち、また事件がその後の日本に与えた影響についても言及されないので、この映画を観ても二二六事件とは何だったのかさっぱりわからない。

わかるのは計画性を持ったクーデターというよりただの暴発に近いってことだけ。まあドキュメンタリー撮ってるわけじゃないから別にいいんだけど。

あくまで事件の表層のみを坦々と追いつつ、憂国の士として描かれる青年将校たちの人間模様にもスポットをあてる。
人数多すぎて全く掘り下がってないけど、そこは豪華出演陣の存在感でカバー。意外に印象に残る作品だった。

女優さん達の演技も良。古き良き日本女性を想わせてくれた。安田成美や藤谷美和子がスゲーかわいく撮れてるよ。
蝉丸

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