ハレルヤ

つぐないのハレルヤのレビュー・感想・評価

つぐない(2007年製作の映画)
4.1
1人の少女の嫌悪感と誤解から冤罪を生み、姉と恋人の仲を引き裂いてしまう。第二次世界大戦という厳しい状況の最中、再会を夢見る2人と自ら犯した過ちに悩み苦しむ少女の葛藤を描いた物語。

「プライドと偏見」と同じくジョー・ライト監督、キーラ・ナイトレイ主演で贈る壮大なラブストーリーであり、ヒューマンドラマ。前作が王道の恋愛物語であるのに対して、本作はトーンが暗めであり、人間の非情な運命という大きなテーマについて深く切り込んでいます。

恋愛要素は当然ありますが、本作では戦争の無情さについても大きくフォーカスされていて、そこは良い意味で想定外。

ジェームズ・マカヴォイ演じるロビーが戦場でさまよい、その先であの「ダンケルク」とクロスオーバーする場面も驚きでしたが、更なる驚きはその後。5分間にも及ぶダンケルクの海岸の混沌を捉えた長回しのシーンは、かなりの衝撃でした。この場面だけでも見る価値は十分あるでしょう。

キャスト陣の演技の素晴らしさは勿論のこと。特にシアーシャ・ローナンなんか当時12歳とは思えないほどの見事な演技でした。この時点から彼女の凄さはかなり感じられますね。

物語の構成もかなり凝られていて、ラストでも思わず唸るような展開が待っています。「プライドと偏見」との共通項は映像美。綺麗な自然描写に乗せて、それぞれ違う形でのラブストーリーを提示するジョー・ライト監督の手腕を改めて実感する一作でした。
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