Hulu。タイトルとジャケ写にビビッと来て視聴。不惑を超えると'青春'というキーワードには実に弱い。
ファンの方には申し訳ないけれど、クォン・サンウという俳優は、比較的無表情の印象が強く、昨今の作品を見ていても、どこをとってもクォン・サンウ・・という個人的イメージでそこまで好きではないけれど、この作品の役どころはハマリ役で、顔立ちもまだ初々しく、繊細な一人の高校生が成長していく様を実に上手く表現している。
17歳設定で学ラン姿も、他の高校生たちも同じ年代の役者陣を揃えているせいか、そこまで気にはならない。
監督の自伝的体験談を基にしているというだけあって、1978年という軍事政権下の韓国の男子校の文化やディスコブーム等が興味深い。日本では横浜銀蠅などツッパリが流行る前の所謂、’バンカラ’ブームの真っ只中と言った感じで、各学年に番長がいてケンカを繰り返しては虚勢を張るというスタイルが実に青臭い。
二人の高校生から想いを寄せられる女子高生を演じたハン・ガインは、まさに70年代~80年代のアイドルそのものの目を惹く可愛さ。
このヒロインに対してクォン・サンウ演じる主人公が、中々想いを率直に伝えられないもどかしさは、自分もあの年頃を思い返すと実にリアル。彼の恋のライバルになる番長役を演じたイ・ジョンジンのボスオーラがカッコイイ。
彼と対立する風紀委員長役のイ・ジョンヒョクが学校の屋上で繰り広げる素手のケンカシーンは、おそらくアクションスターントの代役を立てていないと思われ、凄い迫力。
終盤、クォン・サンウも遂に拳を握るがそちらのケンカシーンも見応え有り。
青春ストーリーとしては秀逸の出来で、男臭い内容ではあるので、どちらかと言えば男性視聴者のほうが好む作品かもしれない一方、クォン・サンウファン用には、主人公の憧れの対象が当時の大スター、ブルース・リーであったりして肉体改造に励むシーンで見事な筋肉美をクォン・サンウが披露するサービスシーンも。
登場シーンは少ないがテコンドー教室を経営する厳格な父親と主人公の関係性の描かれ方も好き。
個人的には風紀委員グループの一人として、ご贔屓俳優のチョ・ジヌンがチラリと顔出ししているのを発見して嬉しくなってしまった。